2014.06.11

選手には好評も、アンフェアな「チャレンジ」に異議あり!

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 この新制度である「チャレンジ」だが、選手たちからは好評を得ている。それもそのはずで、ビデオ判定が拡大された背景には、頻発する誤審があった。今季、「チャレンジ」によって3度判定が覆ったイチローは、「(誤審でアウトになったのは)今まで何百本あったんですかね。何千本とはいかないけど(笑)」と新制度を歓迎している。

 確かに、ビデオ判定の導入で正確なジャッジになっているのは事実だが、この制度でどうも腑に落ちないのが、「チャレンジ」を適応する際の首脳陣のやり方だ。

 際どいプレイが生まれ、判定を不服とした側の監督はゆっくりと審判のもとへ歩み寄る。決して走ったりはしない。そして判定の理由を聞き、問答を始める。その頃、ベンチ裏では自軍のスタッフが躍起になってビデオでアウトかセーフの確認を行なっている。そして、勝ち目があると判断すれば「チャレンジ」を行使。逆に、審判の判定が正しいと判断した場合は何もなかったかのようにベンチへと引き上げていく。この間にかかる時間は30秒どころではない。長いときには1分を軽く超す。試合時間短縮の大原則とは程遠いものがある。

 だが、このベンチ裏でのビデオ確認作業はルールで認められているのだ。審判が肉眼での判定を求められているのに対し、抗議する側にビデオ確認が許されているのはアンフェア極まりない。これでは「チャレンジ」ではなく、ただの「チェック」にすぎない。誤審とわかった上でのビデオ判定だ。

 MLB機構は今後3年をかけシステムの完成を目指すという。ぜひともビデオチェックしてからのチャレンジ行使は撤廃してもらいたい。

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