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【ドラフト2026】奥川恭伸と並ぶ逸材だった「紀州の剛腕」の今 3年間の空白を乗り越え、25歳で最速157キロの衝撃 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 建設業、中古車販売業の仕事を経て、電撃的に現役復帰。「職場のおっちゃん」と呼ぶ男性から「クルマ屋は歳を取ってからでもできる」と諭され、野球への情熱がふつふつと沸き上がったのだという。それ以来、落合は3年のブランクに苦しみながらも、野球に向き合ってきた。

 右ヒジを痛めてもなお、落合は「どうしてもあきらめたくなくて」と野球にしがみつく。昨年11月に右ヒジを手術。かつての落合なら、考えられない選択だった。

【最近は遊びに行く気も起こらない】

 体調万全で迎えた2026年シーズン。落合は悲壮な覚悟で臨んでいた。

 しかし、「今年こそは」「この試合でアピールしてやろう」という思いが強くなればなるほど、落合は空回りした。

「今年は痛みも全然なくて、体はめっちゃ調子いいのに、気持ちの塩梅がめっちゃ難しくて。意気込むと変に力んで結果が出ないし、考えれば考えるほど空回りしました。たまに『別にええか』くらいのテンションで試合に入っていける時もあって、3者連続三振とか結果が出る日もあるんですけど、そんな気持ちでボコボコに打たれでもしたら、後悔するやないですか。それで気持ちを入れると、また空回りして......。ずっとそんな感じでした」

 落合はリリーフ中心に起用されたが、防御率は前年同様に不安定だった。

 焦燥を抱えたまま、シーズンは進んでいく。気持ちが挫けそうになった瞬間はなかったのか。そう尋ねると、落合は「めちゃくちゃありました」と即答した。

「気持ちがやられそうになるところで、先輩や指導者の方に『一喜一憂するな』と言われていました」

 どんなに結果が出なくても、気持ちが落ち込んでも、続けていたことがある。ウエイトトレーニングや体の可動域を広げるためのストレッチ。落合は「こんなもんやないやろ」と自分に言い聞かせながら、地道なトレーニングに励んだ。

「ずっとうまいこといってなかったけど、自分のなかで『これをやる』と決めたことは休まんとやっていました。前までなら『もう遊び行こか......』と思っていたかもしれないです。でも、どんなにしんどくても、決めたことは絶対にやり続けていました。だから、いつかハマるやろうと思っていました」

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