【特別対談】名将・森士×漫画家・二宮裕次「中学ですごかった子」が高校で伸び悩むのはなぜか (2ページ目)
森 浦和学院のチームづくりはピッチャーを育てるところに特色があると思っています。私もピッチャー出身ですし、教え子たちもそれなりの成果をあげてくれました。だから素材的に上のレベルを目指すピッチャーがたくさん来てくれたんじゃないかと思いますね。
二宮 中学時代、どういうピッチャーに着眼するんですか。
森 私は"勝てるピッチャー"と"夢があるピッチャー"の両面を見ます。両方とも兼ね備えているピッチャーもいるんですよ。
【中学での実績は伸びしろを奪うリスクがある】
二宮 勝てるというのは甲子園へ行けるピッチャー、夢があるというのはプロを含めた将来性のあるピッチャーということですね。
森 中学での実績は、むしろ伸びしろを奪うリスクもあります。精神的に「オレはすごい」という満足感を親子で持ってしまって、高校で伸び悩む子は少なくありません。中学では未完成でも、3年間で成長できるバランスのよさを感じさせる子には魅力を感じました。
二宮 石浜と野田は1年夏から5季連続での甲子園出場を目標に掲げていますが、春よりも夏に体調を合わせたいと考えているようです。石浜は無茶をすれば壊れるかもしれないというリスクと戦っているわけですが、それでも頑張らなきゃいけない時もある。その無理をさせる、させないの境目について、監督としてどうお考えでしたか。
森 そこは二者択一の簡単な話ではないんですが、なんだかんだいっても1年生は1年生なんです。早熟型の1年生が150キロを投げられたとしても、身体は耐えられるとは限りません。高いポテンシャルにフィジカルが追いついていかない可能性は大いにある。3年生に求める運動量は1年生には求められませんから、致命的なケガを負いかねません。
二宮 150キロが出れば監督としては投げさせたくなりますか?
森 いくら150キロを投げられても、試合で使うべきではないと僕は思っています。ただ、これまでは指導者の経験に基づく勘のようなもので判断するしかなかったんですが、成長度合いに個人差はあるはずで、これからはその測定が医学的に可能な時代が来るんじゃないかという期待はしています。
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