【高校野球】甲子園に届かなかった全国の隠れた逸材たち 全国を巡って見つけた"幻のスター候補"たち (2ページ目)
見に行った人から聞かされた話は、私にとっては「毒」でしかなく、聞けば聞くほど足がうずいたものだ。
見せてもらった映像では、投げても打っても、どこか一箇所だけに頼るような「幼さ」がない。全身がよどみなく連動し、力が自然と伝わる。すでに「大人仕様」と呼べる完成度の高いメカニズムの持ち主に見えた。
それにしても、この雄大な体躯はなんだ。2020年のエース・嘉手苅浩太(元ヤクルト)も、2022年ドラフト2位でオリックスに入団した内藤鵬も筋骨隆々の体つきだった。それでも保西のほうが、四肢はさらに長く、より伸びやかな印象を受ける。ベンチプレス125キロ、スクワット230キロ......いかつい数字が並ぶわりに、投打ともプレーに"ゴツゴツ感"がないから、まだまだ野球がうまくなりそうだ。
【長野の進学校に現れたクレバーな右腕】
この夏の長野には、豊かな将来性を秘めた選手が数多く現れた。なかでも、公立校の1年生に「エエーッ!」と思わず声を上げたくなるほどの逸材を見つけたのだが、こちらは2年後のお楽しみとしておこう。
そのなかで自信を持って推したいのが、諏訪清陵高の投手・田中樹来(じゅらい)だ。右のオーバーハンドから140キロ台前半をマークするが、「もっと見せてやろう!」という力みや気負いがまったくない。
素直なフォームだから再現性が高く、右打者の外角低めへ次々とストライクを投げ込み、左打者にはスライダーを足元に決め、チェンジアップで打者のタイミングを完全に崩す。
なにより「ピッチャーらしい」のは、走者を背負っても、あくまでフラットに投げ進める精神的なポーカーフェイスだ。たぎる炎は、内燃していればいい。
諏訪清陵は県内屈指の進学校と聞く。甲子園でも強豪校の打線と互角以上に渡り合えるだけの実力を秘めている。こういう投手こそ、「公立の快腕、強豪撃破!」──そんな大きな見出しが似合うのだろう。
2 / 3


