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横浜清陵、21世紀枠で春夏通じて初の甲子園へ! 指揮官は東海大相模の選手として全国制覇→国立大に進学→家庭科教師の異色経歴 (2ページ目)

  • 大友良行●文 text by Ohtomo Yoshiyuki

 野原監督がスローガンに掲げるのは、「準備」「全力」「最後まで」の3つ。昨年秋はこのスローガンのもと、チーム一丸となって21世紀枠での甲子園出場を勝ち取った。強豪私立がひしめく神奈川で公立校の出場は横浜商以来28年ぶり。県立校に限れば1954年の湘南以来、じつに71年ぶりの快挙だ。野原監督は言う。

「不思議な気持ちです。今までは、秋の神奈川大会、関東大会で上位に入ることと、夏の県大会優勝を目標にやってきました。今回はこの2つを考えてやってきた取り組み、野球が認められての選出だったと思います」

【大親友の横浜・村田監督と共に甲子園へ】

 指揮官として初めて挑む甲子園だが、野原監督に気負いはない。

「甲子園だからといって、何も変えるつもりはありません。神奈川で勝つと目指してきた野球をそのまま発揮できるよう、準備したいと思います。これまで以上に、当たり前のことを大切にやっていくだけです。公立校としてのハンディはありません。『公立だから勝てない』というのは、負け犬根性そのもの。あくまで目指すのは、神奈川で勝っての甲子園です」

 選手たちはどう思っているのだろうか。主将の山本康太は次のように語る。

「21世紀枠のためにやってきたつもりはないです。当たり前のことをやってきて、その結果、選ばれたということです。正直びっくりしていますが、それを徹底的にやり抜けば、自分たちの強みになります。目標は甲子園で勝つこと。目の前の相手をひとつずつ勝ち抜くことです。練習試合からやってきている"あきらめないこと"が大事だと思っています。その気持ちはどこにも負けません。とにかく、選んでもらったことに感謝します」

 野原監督も感謝の思いを口にする。

「うれしいとか喜びよりも、使命感というか責任を強く感じています。認めていただいた方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

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