六大学ベストナイン選出の東京大・大原海輝が浦和高を選んだ理由「21世紀枠で甲子園を狙えるんじゃないかなって」

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

文武両道の裏側 第20回
大原海輝(東京大学野球部)前編(全2回)

 東京六大学野球の2024年春季リーグでベストナインに選出された東京大学野球部の大原海輝(3年)。埼玉・浦和高出身で、1浪を経て理科一類に合格し、その後文学部に転部している。どのようにして自身を成長させてきたのか? 文武両道の神髄を直撃する。

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【2割増しの目標設定で成長】

ーー東京六大学野球ベストナインの受賞、おめでとうございます。自身では今回の受賞理由をどう捉えていますか?

大原海輝(以下同) 僕自身、けっこう大雑把だったりテキトーなところがあるんですけど、自分でやると決めたことをできるところもあるのかなとも思っていて。そうしたなかで、より具体的な目標を定めて練習に臨めたのが大きかったと思います。

ーー具体的な目標というと?

 2年生の時には、代打でリーグ戦に出させてもらっていましたが、結果を残すことができませんでした。なので僕の長所であるバッティングを伸ばして、まずはスタメン出場を勝ちとるという目標を定めて、より計画的に練習するようになりました。

ーーどんな練習をしましたか?

 ありふれたことなんですけど、大きい目標じゃなくて、目標は2割増しのところに設定しました。

 具体的には、打撃練習だけでなく、トレーニングもやりながら、その振り返りを毎週、自分のなかでしていました。ビジネスの世界で俗に言う「PDCAサイクル」(※「計画」「実行」「確認」「改善」を繰り返して業務を改善する方法)を意識して練習に取り組んでいたのが、うまくいったのかなと思っています。

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プロフィール

  • 門脇正法

    門脇正法 (かどわき・まさのり)

    マンガ原作者、スポーツライター。1967年、埼玉県生まれ。日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。アニメ『ドラゴンボールZ』の脚本家である小山高生氏からシナリオを学び、マンガ原作者デビュー。特にスポーツアスリートの実録マンガを得意としており、『世界再戦ー松坂大輔物語ー』(集英社/少年ジャンプ)、『好敵手ー室伏広治物語ー』(同)、『闘球「元」日本代表ー福岡堅樹物語ー』(集英社/ヤングジャンプ)の原作を担当。現在はマンガの原作だけでなく、「少年ジャンプ」のスポーツ記事特集『ジャンスタ』を中心に、『webスポルティーバ』の「文武両道の裏側」など、スポーツライターとしても活躍中。著書に『バクマン。勝利学』『少年ジャンプ勝利学』(ともに集英社インターナショナル)などがある。

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