山本昌がセンバツで力投した12投手を解説 中日で一緒にプレーした投手の息子の評価は?
現時点で「ドラフト1位指名間違いなし」と言えるだけの絶対的な存在は見当たらなかった今春のセンバツ。これまで数々の逸材を見出してきた"レジェンド"の目にはどう映ったのか。技術にこだわり続け、50歳まで現役生活を送った山本昌氏(元中日)が、センバツに登場した12投手を徹底分析した。
2年連続センバツ準優勝の報徳学園・今朝丸裕喜 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る今朝丸裕喜(報徳学園/187センチ・80キロ/右投右打)
昨春のセンバツでも見させてもらい、間木歩くんとの2年生右腕コンビはすばらしいと感じていました。あれから1年が経ち、順調に成長していますね。今春の今朝丸くんは背番号こそ10番でしたが、ドラフト候補にふさわしい実力でした。軸がしっかりしていて、コンパクトなのに強い腕の振りができる。下半身の無駄な動きがなく、捕手に向かって真っすぐにラインを出せているからコントロールもいい。フォークにはびっくりするくらいの落差がありましたし、スライダー、カーブのキレもよかったです。とくに腕の振りの最後が力強い点に惹かれました。今後に向けて課題を挙げさせてもらうなら、体重移動の距離をもう少しとれるようになるともっとよくなるはずです。上の世界でも先発投手として長いイニングを投げるには、その点がカギになるでしょう。
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著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。