注目のデータから読み解くセンバツ大会の行方。上位進出校、ダークホースはここだ! (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Taguchi Yukihito

 投手陣も昨秋の公式戦で防御率0.78を記録した大会ナンバーワン左腕の前田悠伍を筆頭に右投げの別所孝亮、川原嗣貴、左投げの川井泰志と質、量ともに豊富。試合間隔が最も短い1回戦最後の登場になるが、大きな不安はない。

1回戦屈指の好カードは?

 大阪桐蔭に続くのが九州王者の九州国際大付。俊足強打の黒田義信、182センチ、104キロの巨漢スラッガー・佐倉侠史朗を中心にした打線は14試合で18本塁打。OPSは.990をマークする。

 投手陣も技巧派左腕の香西一希(奪三振61、与四死球12)、捕手との二刀流で140キロ台中盤の速球を投げる野田海人(奪三振30、与四死球6)の二枚が強力。チームのK/BBは4.27だが、ふたりに限れば数字は5.06にまで上がる(MLBでは5を超えると非常に優秀と言われている)。四死球が少なく、三振が奪える理想的な投球ができるのが強みだ。

 早川隆久(現・楽天)、山下輝(現・ヤクルト)とドラフト1位投手を輩出する木更津総合は今年も投手力が高い。昨年秋に力投したエース・越井颯一郎は140キロ台中盤の速球で押すだけでなく、スローボールも見せるなど緩急も使って58回3分の1を投げて奪三振51、与四死球10。40イニング以上投げた投手では出場選手中ナンバーワンのK/BB=5.10をマークした。例年は打線が小粒な印象だが、今年はチーム打率.353、11試合で6本塁打と打てる。BB/K=2.80と四死球の数が三振の数の3倍近くあり、選球眼がよいのが特長だ。

 3校をわずかな差で追うのが山梨学院。BB/K=4位、OPS=2位と攻撃力は3校と遜色なく、K/BBもエースの榎谷礼央に限れば4.25(奪三振34、与四死球8)とトップ3に入る数字。二番手以降の投手がどれだけ榎谷の負担を減らせるか。初戦は木更津総合との対戦となり、1回戦屈指の好カードとなりそうだ。

怪物・佐々木麟太郎の花巻東は?

 4校に続くのが今大会最大の注目を浴びるスラッガー・佐々木麟太郎を擁する花巻東、神宮大会準優勝の広陵、昨夏の甲子園で4強入りした京都国際の3校だ。

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