山﨑武司が厳選したセンバツの強打者9人。なかでも絶賛した選手は? (9ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 岡沢克郎、大友良行●写真photo by Okazawa Katsuro,Ohtomo Yoshiyuki

1年春から星稜の中軸を担い、昨年夏の甲子園にも出場した内山壮真1年春から星稜の中軸を担い、昨年夏の甲子園にも出場した内山壮真内山壮真(星稜2年/172cm・72kg/右投右打/遊撃手)

 まだ2年生だし体は小さいですが、タメの作り方は悪くないし、スイングに力があります。気になるのは、インパクトで軸足のヒザが折れてしゃがみ込む形になること。最近は「打球に角度を出すため」という目的で、こういう形でスイングをするバッターも目につきます。でもこれは僕の持論ですが、打球は勝手に上がるもので、意識して上げるものではないということ。何度もボールを打っていくうちに、自然とバットを入れる角度を覚えていくものです。僕自身、スピンをかけようと意識して打球を上げようと思ったことはありません。できる限り両肩を平行に回したほうが、鋭く回転ができる。でも内山くんのようにしゃがみ込んでしまうと、回転が遅くなってしまう。私は姿勢を直して体重移動したほうが、いいスイングができると思います。

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 今回は春のセンバツに出場した好打者のなかから、光るものを感じた9選手に絞って分析させてもらいました。

 昨年のセンバツに出場した大阪桐蔭の根尾昂(中日)にしても藤原恭大(ロッテ)にしても、あれだけすごいと騒がれた選手が、プロでは苦しんでいます。2人ともプロの世界に混じると、まだ小さく見えてしまう。あらためてプロのレベルの高さを感じます。

 でも、それは当然です。今はまだプロのスピードについていけなくても、スピードにはいずれ慣れるもの。私はまったく心配していません。

 センバツに出場した好打者たちも、上には上がいることを意識して、より高いレベルのバッティングを追求してもらいたいですね。

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