プロ球団スカウトが密かに目をつけた、センバツ7人の「隠し球選手」 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 また、興味深い話を聞かせてくれたのが、DeNAの河原隆一スカウトだ。

「ウチに細川(成也)がいるからというわけじゃないんですけどね......」と前置きした上で名前を挙げたのが、明秀日立(茨城)の芳賀大成(170センチ69キロ/右投右打)だった。

「センバツでキャッチャーをやるかもしれないんですよ」

 さすが! 細川を強烈に推して、ドラフト5位指名で入団に持ち込んだ担当スカウトだ。明秀日立の情報には詳しい。芳賀はもともと強打の二塁手だったが、このセンバツではチーム事情もあって、捕手としてチームを牽引する可能性があるという。

「今年も細川の弟の拓哉がエースで、ショートの増田陸も長打力のある面白い存在ですけど、フルスイングできる瞬発力だったら芳賀じゃないですかね」

 小柄でも、野球がパワフルなのが魅力だという。

「もしキャッチャーをやったら、ロッテの田村(龍弘)みたいになるんじゃないかな。内野手がキャッチャーをやると、フットワークがいいじゃないですか。田村だって捕ってから投げるのが速いでしょ。あれなんて、内野手のときに身につけた財産ですよ。芳賀は、金沢(奉成)監督も太鼓判を押す"野球小僧"ですし、捕手をやることで新鮮な感覚が生まれると思うんです。そこでどんなプレーをしてくれるのか楽しみですね」

 センバツにやってくるプロスカウトは100人を超える。そのひとりひとりのなかに"オレだけの注目選手"がいるはずだ。そんなスカウトたちの目に留まる選手は誰なのか? ひとりひとりのプレーから目が離せない。

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