2017.07.06

高校野球の名コーチ・小倉元部長に聞く
「夏の神奈川大会はこうなる」

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

 東海大相模の秋田稜吾(3年)というエースはフォークみたいに落ちる縦スラを投げるんですが、9回まで握力が持つかどうか。横浜は左(板川佳矢・2年、及川雅貴・1年)と右(塩原陸・3年)がいて、外野手の万波中正(2年)をピッチャーで使っているけど、それを続けていかないと相手にとって対策が立てやすくなる。


 チームとして一番いいのは、左と右とアンダースローと3枚そろっていることなんです。対戦相手は3人の異なるタイプのピッチャーに対する練習をしないといけないですから。実際には、そこまで駒がそろうことはなかなかないけどね。

 そういう意味では、東海大相模は秋田のほかに沖縄出身の左ピッチャー、安里海(3年)がいます。ほかに横手投げのピッチャーもいて、バラエティに富んでいますね。

――小倉さんは180を超えるチームが参加するマンモス大会の神奈川県大会を戦うとき、投手起用について何か決めごとはありましたか?

小倉 いまではプロ野球の投手は分業制になり、投球イニングや球数を計算していますが、高校野球もそうです。準決勝までは、エースに18イニング以上は投げさせたくない。準決勝と決勝で連投になれば、そこで18イニングを投げることになりますからね。

 そもそも、県大会を通じてエースが投げるイニングは合計36回以内に抑えたいと考えていました。そうしないと、甲子園に行ってからエースがバテちゃうんですね。2004年夏の涌井秀章(千葉ロッテマリーンズ)がそうでした。その点、準決勝までのエースの登板を18イニングまでに抑えられれば、準決勝と決勝を思い切って戦えます。さらに、甲子園に勝つためにもそれが一番いい方法なのです。