清宮に立ちはだかるドクターK、聖徳学園・長谷川宙輝が西東京を熱くする (5ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 長谷川の成長に引きずられるように、他の選手も着実に力をつけてきた。打撃センスがあり、二番手投手としても期待できる勝屋紬、長谷川の女房役で長打力のある竹内栄輝、スイングに力がある長身強打者・下別府佳吾。夏の大会で強豪校に一泡吹かせる陣容は整いつつある。

 そして、中里監督は勝負の夏を見据えて思いの丈を語った。

「僕自身、関東高校時代の甲子園を目指していた、あの雰囲気が忘れられないんです。聖徳学園になって、勉強を一生懸命頑張りながらも、野球も強くなれたら理想ですよね。もう一度、復活させたいと思っているんです」

 中里監督は講師として聖徳学園に勤めながらも、普段は実家の寺院・延命寺(武蔵野市)で住職を務めている。関東高校時代の野球部グラウンドはすでに売却され、チームは内野のダイヤモンドを取れる程度のグラウンドで練習する日々。時には軟式野球場を借りて、軟式球を使って練習することもある。

 それでも、部員わずか23名の“古豪”は、プロ注目のサウスポーを擁して夏の逆襲を狙っている。

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