【高校野球】150キロ右腕に100本塁打男......。今年も近畿は人材の宝庫 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

 例年、多くの人材を輩出している兵庫。今年も高校通算100本塁打を記録した神港学園の大砲・山本大貴(3年/180センチ 90キロ 右投左打)の存在はすでに知れ渡っているが、注目したいのが洲本のエース・島垣涼太(3年/185センチ 62キロ/右投左打)。今春のセンバツに「21世紀枠」で出場し、正直、そこまで大きな期待はしていなかったのだが、投球を見てビックリ。全身の連動をリリースの一瞬に集中させる感覚が抜群で、球速以上にボールに威力がある。また、スプリットを操る指先感覚も一級品。構えたミットに投げられる制球力もあり、「投げる才能」に関しては、近畿でも有数の投手だろう。

 いつもは智弁和歌山一色の和歌山だが、今年は多士済々だ。市立和歌山の上賢志郎(3年/182センチ 84キロ/右投右打)と浜田健太(3年/182センチ 82キロ/右投左打)の高校生離れした長打力。特に浜田の打球は、角度、スピード、飛距離と、どれも申し分なし。昨年から注目のスラッガーが1年間でどれだけ成長しているのか楽しみだ。

 また、県下ナンバーワンの快足と言われている県和歌山商の外野手・池尻翔紀(3年/177センチ 75キロ/右投左打)の機動力とスピード感溢れる守備。俊敏なフィールディングと俊足、さらにライナーで左中間、右中間を破っていくシュアなバッティングが持ち味の南部のショート・松根優(3年/176センチ 73キロ/右投左打)。ともにプロのスカウトも注目している選手だ。

 そしてトリをとるのは、やはり智弁和歌山。昨夏の甲子園でもレギュラーとして奮戦した選手たちが、ある者はポジションを変え、ある者はスケールアップしてチームの主軸に。そして投手陣では吉川雄大(2年/181センチ 79キロ/左投左打)が頭角を現しはじめた。この選手に早くから注目しておくと、将来の楽しみがひとつ増えるかもしれない。

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