2014.09.01

【自転車】片山右京「最初の一歩は何だって小さいもの」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 五十嵐和博●撮影 photo by Igarashi Kazuhiro

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第20回】

 7月下旬から8月上旬にかけて、初めて欧州のレースに参戦したTeamUKYO。自転車ロードレースの本場を体感したことで、片山右京は「多くのことを学んだ」という。ツール・ド・フランスへの参戦を目標に掲げる片山は、欧州でのレースから何を学んだのか?

(前回のコラムはこちら)

現在描いている「将来のTeamUKYO」について語る片山右京 今夏の欧州遠征は、TeamUKYOが自分たちの現状を踏まえ、今後の活動を見据えてゆくための貴重な機会になった。チームを設立した2012年から、片山右京は「2017年のツール・ド・フランス参戦実現を目指したい」と公言してきた。しかし、今回の参戦で目の当たりにしたのは、選手層の厚さから、広く深い競技文化に至るまで、あらゆる面での日本と欧州の大きな格差だった。

 片山が掲げる遠大な目標は、この現実を見たことによって、何らかの軌道修正を迫られたのだろうか。あるいは、まだ実力は低くとも、自らの信じる手法を推し進めていけば大丈夫、という意を強くしたのか。

 この問いを投げかけると、片山は少し考える素振りを見せた。

「うーん......。その両方であるような気もするし、どっちでもないような気もする。想像していたよりショックを受けたのは事実だし、でも逆に、ヒステリックにならずに、『よし、やってやろう』と地に足をつけて考える機会にもなった。いずれにせよ、今のままでは足りないな、ということは実感しました」

 たとえばそのひとつが、チームの運営体制の拡充だ。所属選手の層を厚くし、高い実力を持つ選手を獲得し、若い選手を高いレベルへ育成していくことはもちろん必要だが、その選手たちをマネージメントし、運営していくためのチーム体制づくりも同様に重要だという。

「たとえば、サッカーの日本代表チームが経験豊富な指導者を外国から招聘するように、自転車の世界でも、それくらいの水準の指導者に来てもらってもいいんじゃないか。今後は監督にしても、チームマネージャーにしても、UCI(国際自転車競技連合)で働いていた経験のある人や、A.S.O.(ツール・ド・フランスの主催者)の関係者を取り込んで、日本人が不得意なロビー活動を積極的に展開していけば、少しは目標への近道ができるんじゃないかなと思います」