【自転車】片山右京「本場欧州を経て、いよいよ後半戦突入」 (2ページ目)
2014年のブエルタには、今夏のジロで総合優勝を飾ったナイロ・キンタナ(コロンビア/モビスター・チーム)が参戦する。また、ツールの序盤ステージで負傷リタイアを余儀なくされたクリス・フルーム(イギリス/チーム・スカイ)とアルベルト・コンタドール(スペイン/ティンコフ・サクソ)も参戦を表明しており、この3大強豪の直接対決がレース最大の見どころといえるだろう。また、今年のツールでポイント賞を獲得したペーター・サガン(スロバキア/キャノンデール)や、新人賞を受賞したティボー・ピノ(フランス/エフデジ・ポワン・エフエル)、ツール区間通算25勝のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス/オメガファーマ・クイックステップ)、世界選手権個人タイムトライアル4度制覇のファビアン・カンチェラーラ(スイス/トレック・ファクトリー・レーシング)など、錚々(そうそう)たる選手たちの参戦も明らかになっており、レースにいっそうの華やかさを添える。
また、このブエルタ・ア・エスパーニャには、TeamUKYOの土井雪広が欧州チーム在籍時代の2011年に日本人として初めて参戦して完走。翌2012年にも再び完走を果たしていることは、これまで何度も言及してきたとおりだ。
さて、そのTeamUKYOは7月下旬に渡欧し、7月25日にはカテゴリー1のワンデーレース「ビアフランカ・オルディシアコ[1.1]」に参戦。その後、7月30日から8月10日までは、同じくカテゴリー1でポルトガルを1周するステージレース「ボルタ・ア・ポルトガル[2.1]」を戦った。
TeamUKYO結成以来初となる、サイクルロードレースの本場欧州での挑戦だ。全10ステージで行なわれたボルタ・ア・ポルトガルに、TeamUKYOは新加入の外国人選手を含む総勢9名の選手で臨んだ。個人タイムトライアルや苛酷な山岳の登坂を経て、最終日の首都リスボンには5名が到達。チーム最上位は土井雪広の46位、そして新加入のスペイン人選手、サルバドール・グアルディオラが50位という総合成績だった。今回の欧州遠征で彼らが得た、貴重な経験や明らかになった課題、今後の目標などについては、次回以降に片山右京監督や選手たち自身の言葉として、逐次紹介をしていく予定だ。
帰国したチームは、8月31日の「長野県・みやだクリテリウム」を皮切りに、Jプロツアーのレースを中心に国内での転戦を再開する。日本のサイクルロードレースの頂点を争うこの年間シリーズ戦では、伝統のある実業団を背景とするチームや、地域密着型の発想で創設されたチーム等、多彩なチームが覇を競っている。
今年は年間21戦が予定されており、みやだクリテリウムはその第13戦目になる。Jプロツアーは、公道を走行する一般的なロードレースや、道路を封鎖して設定した規定周回コースを走るクリテリウム、スタート地点から山肌のワインディングロードを登坂していくヒルクライム等の様々なレース形式で争われ、選手たちは着順にポイントを獲得してゆく。昨年は、TeamUKYOのホセ・ビセンテ・トリビオがチャンピオンの座に就き、チームも総合優勝を達成した。
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