【新車のツボ170】トヨタRAV4。これは新しい時代のスポーツカー? (4ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 RAV4のボディサイズは小さいとはいわないが、SUVとしては大きくもない。そんなRAV4がときに背筋がゾクッとするほどの加速力を見せるのだから、クルマ好きなら病みつきになっても不思議ではない。この背高ボディに306馬力なので「カーブは苦手では?」と思う人もいるかもしれないが、床に電池を敷き詰めたPHVは見た目よりも重心が低く、後輪モーターも積極的に使う制御なので、旋回性は意外に高い。

 ただ、絶対的には普通のRAV4よりはるかに重い(2.0リッター車より約300kg、ハイブリッド車より200kg以上)ので、調子に乗ると曲がりきれなくなるケースもあり、下り坂でのブレーキ性能には要注意である。まあ、普通に走るには十分な安定感は確保されているので、このクルマで危険な思いをしたら「そんな走り方をするヤツが悪い」のだが、そんなちょっとアンバランスなくらいの過剰性能、ワクからはみ出そうなヤンチャ感というのは、クルマ好きにとって永遠のツボである。

 これって、つまりはスポーツカーと本質的には同じツボである。今回の受注一時停止は、それをいち早く本能的に察知した好事家が、トヨタが読み切れないくらいたくさんいたということでもある。

【スペック】
トヨタRAV4 PHV ブラックトーン
全長×全幅×全高:4600×1855×1695mm
ホイールベース:2690mm
車両重量:1920kg
エンジン:直列4気筒DOHC(2487cc)+モーター
エンジン最高出力:177ps/6000rpm
エンジン最大トルク:219Nm/3600rpm
変速機:無段階動力分割装置
WLTCモード燃費:22.2km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:539万円

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