【新車のツボ158】トヨタ・スープラ。賛否両論クセ感ありのスポーツカー

  • 佐野弘宗●取材・文・写真
  • text & photo by Sano Hiromune

 トヨタの新型スープラは今年(2019年)1月にベールを脱いで以来、とにかく注目度がすさまじい。「とりあえずスープラを出しておけばアクセスが稼げる」という関連記事の鉄板っぷりは、昨年のスズキ・ジムニー/ジムニーシエラ第150回参照以上かもしれない。ただ、だれもに総じて好意的に受け入れられたジムニー/ジムニーシエラに対して、新型スープラでは賛否両論が激しくうずまくところが、良くも悪くもトヨタらしい。アンチ派の意見も多種多様だが、たとえば「トヨタはスポーツカーを他社(=BMW)につくらせるのか!?」とか「兄弟車のZ4に対してスープラのデザインが嫌い」といった意見が目立つ。

 BMW Z4156回参照)の回でも書いたが、新型スープラはトヨタとBMWの共同開発車であり、そのハードウェアは早い話がZ4のクーペ版である。考えてみれば、スープラの弟分たるトヨタ86(第31回参照)もスバルと共同開発であり、しかも、どちらも実際の設計開発や生産は相手企業が担当した。とくにスポーツカーのようなロマンチックな情緒商品では「純自家製であるべし」と信じて疑わないのがマニアの性(さが)である。その意味では、偏狭なマニアは新型スープラにどうしても「また他人のフンドシで......」とツッコミを入れたくなってしまうのだ。

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