【新車のツボ122】マツダ・デミオ15MBマニアに密かな人気の「隠れデミオ」 (3ページ目)

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 15MBの装備は簡素そのものだが、デミオはそもそも"クラスを超える品質"を売りにするだけに、それでも絶望的にショボいわけではない。ダッシュボードに美しくおさまる純正ナビは装着できないが「ナビはスマホで」と割り切れれば、なんの不都合もない。

 また、15MBには"ユーティリティパッケージ"というツボなオプションも用意されていて、6万4800円を余分に払えば、16インチ・アルミホイールとプライバシーガラス、6:4分割可倒リアシート、そしてCDプレーヤーがつく。今回の取材車がまさにそのパッケージ装着車だが、ほら、まったくショボくないではないか!?

 軽自動車に毛がはえたような重量に1.5リッターを積むデミオ15MBは、ノーマルでも走りは活発。きちんと走らせると周囲を軽々とリードできるくらいに速いが、どのギアでもバビューンと加速するディーゼルほど力強くもなく、変速をサボったズボラ運転では"らしく"走らないのがまたツボである。シートはいかにもフカフカの柔らかタイプだが、横方向のサポートがしっかりしていて、その気で走っても意外なほど不満を感じない。

 サスペンションも安価な1.3リッターと同じ。しかし、もともとのデミオがこれまた"クラスを超える走り"が自慢なので、オプションの16インチを履かせるだけで、走りのキレはなかなか。しかも、普段乗りでも十分以上にしなやかで快適。15MBはツルシ状態でも硬軟のバランスがドンピシャだ。あらためて「デミオってよくデキてるなあ」と感心する。

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