宮司愛海アナが2019年スポーツを振り返り。個人的10大トピックスは? (3ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

【9月】ワールドカップバレーボールを連日中継

 9月はワールドカップバレーボール中継の日々を送っていました。9月14日から10月15日まで、前半の2週間は女子、後半の2週間は男子の試合をお伝えしました。

 女子は初戦でドミニカに勝利しましたが、第2戦でロシアに2-3と惜しくも敗れて波をつかみそこねると、韓国、中国、アメリカ、ブラジルにも敗戦。取材していて選手たちから重い空気を感じることもありました。

 それでも、第8戦でセルビアにセットカウント0‐2から逆転勝利。強豪国相手の勝利が転換点になったと思います。最終的な成績は6勝5敗の5位でしたが、次につながる何かが見えた大会だったと思います。

 男子は8勝3敗で28年ぶりの4位。大会前の世界ランクは11位で注目度は決して高くなかった中、熱戦を繰り広げたことで日に日にメディアの数も増えていきました。大会前から「絶対に俺たちは勝つ」という良い雰囲気に包まれていた選手のみなさんがその気持ちを見せてくれました。

 個人的なハイライトは世界ランク1位のブラジル戦です。

 結果は1-3で負けましたが、日本はやりたいバレーがしっかり表現できていたので、最後の最後まで「ブラジルに勝てるかも!?」という期待感でいっぱいでした。この悔しさは来年に晴らしてもらいましょう。1972年モントリオール五輪での金メダル以来、遠ざかっている五輪でのメダル獲得を期待しています。

 ワールドカップバレーではチームを連日追い続けるからこそ、見えてくるものがあると気づきました。「昨日はこういうところが悪かったけど、今日はそこを修正してきた」とか、「この選手は昨日元気がなかったけど、今日はいい感じに折り合いをつけて頑張っている」とか。1試合を見ただけでは気づかないストーリーを追う体験を、今後の糧にしたいと思っています。

【9月】ラグビー日本代表の活躍に熱狂

 ラグビーワールドカップでの日本代表は、多くの感動と興奮を日本中に与えてくれました。私は決勝トーナメント1回戦の日本対南アフリカ戦をスタジアムで取材することができました。

 4年前にジャイアントキリングを起こした再現を期待したのですが、この大会の優勝チームだけあって南アフリカは強かった。しかし、日本代表が最後まで立ち向かっていく姿勢に、多くの感動をもらいました。

 大会終了後は『S-PARK』にも日本代表の福岡堅樹選手、堀江翔太選手にお越しいただきました。打ち合わせからとても感じがよく積極的にアイデアを出してくださる姿勢に感銘を受けました。

 両選手が出場するトップリーグは1月12日に開幕。福岡選手は東京オリンピックの7人制ラグビー代表も目指しています。想像以上の盛り上がりを見せたラグビー。その熱が2020年以降も続くように引き続き注目していきたいと思います。

【11月】萩野公介選手の復活

 11月は萩野公介選手が東京都オープンの400m個人メドレーで、300日ぶりにライバルの瀬戸大也選手と直接対決。タイムを見ても、まだトップフォームからは遠いかと思いますが、本当にいい表情をされていました。

 3月の休養発表のときも、6月の復帰宣言のときも思ったのですが、トップスイマーが競技から一度離れたり、ふたたび戻ったりの決断をするのはすごく勇気のいること。そこを乗り越えた萩野選手が今後どのような過程で来年の東京オリンピックを目指すことになるのか、しっかり見届けたいと思います。

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