宮司愛海アナが語るW杯バスケ。日本全敗もここが「始まり」と信じてる
フジテレビの人気スポーツニュース番組『S-PARK』でメインキャスターを務める宮司アナの連載『Manami Memo』。番組で携わってきた競技や取材した選手の魅力について語ってもらいます。第4回のテーマは、日本が2006年以来の出場となったバスケットボールのW杯(ワールドカップ)について。
思い入れのあるバスケについて熱く語った宮司愛海アナ
私がバスケットボールの取材を始めたのは、Bリーグ初年度のファイナル、栃木ブレックス(当時)と川崎ブレイブサンダーズとの試合でMCをやらせていただくことになってからです。開幕1年目から取材をしてきて、僭越ながらリーグの発展とともに自分も成長してきたような思いもあります。
代表戦で初めて中継を担当したのは、ワールドカップ・アジア地区1次予選の初戦・フィリピン戦(2017年11月)。その年の夏、監督にフリオ・ラマス氏が就任してから、新生・日本代表として迎える大切な戦いでした。私自身も、この時のことは記憶に残っています。
日本が、格上・フィリピンを追い詰めた時の会場からの大歓声は身震いするほどでした。9点差で前半を折り返した日本でしたが、後半序盤に見せたあの猛追には、「新しい日本男子バスケ」を感じ、ワクワクしたのを覚えています。
しかし、終盤は流れを引き寄せきれず、71-77で敗戦。
試合後、選手の皆さんが「勝てた試合だった」と話したように、日本は初戦で勝ちきれず、W杯への道は黒星スタートとなりました。
そこから日本は痛恨の4連敗を喫することになります。特に、予選の組で唯一の格下であるチャイニーズ・タイペイにホームで敗れたことは、日本にとって大きな打撃となりました。
しかし、2018年6月。日本男子バスケの歴史が変わる出来事が起こります。
4連敗で迎えたオーストラリアとの第5戦に、日本が勝利したのです。オーストラリアはリオ・オリンピック4位と、世界トップクラスの強豪国。日本は、W杯への出場権を獲得するため、ここから先は負けられないというまさに「崖っぷち」の状況。そんな中での歴史的勝利に...本当に鳥肌が立つほど感動しました。
背景には、ニック・ファジーカス選手の帰化や、アメリカの大学バスケがシーズンオフのため試合に出場できた八村塁選手の存在がありました。ずっと日本の課題であった「インサイド」の部分がこのふたりの加入で力を増し、リバウンドから攻撃の機会を増やせるようになったのです。
それだけでなく、ファジーカス選手の「自分を止められる選手はいないという気持ちで試合に臨む」という姿勢、八村選手のアメリカで学んだファイティングスピリットなど「精神面」でも日本代表にもたらしたものは大きかったと思います。
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