乾貴士、ブラジル戦の標的は「バルサ時代にやられたダニ・アウベス」 (2ページ目)

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita それでも、移籍した当初はドイツとのサッカーの違いに戸惑うこともありました。

 まず守備については、ドイツは1対1を重視しているのに対して、エイバルではチーム全体で守ることを徹底しています。ホセ・ルイス・メンディリバル監督からは、常に相手チームの3人の選手が見えるようポジショニングをとり、どの選手にパスが回ってきても守れるように準備することを指示されているのです。

 乾選手は当初、「この守備をするのは絶対無理」と思ったそうです。しかし、トレーニングを重ねるうちに、守備で相手にプレッシャーをかけるのが楽しくなっていき、「守備を楽しいと思ったことは初めて」とスペインでの成長に手応えをつかんでいきます。そして、戦術理解度を高めた結果、監督の指示を実践できるようになった乾選手は、出場時間が増えていきました。

 攻撃面では、パスを優先する傾向のあるドイツに比べ、スペインは自由度が高く、乾選手の最大の武器であるドリブルがより活きています。乾選手自身、「プロになってから、今が一番充実してサッカーができている」とスペインのサッカーが自分のスタイルに合っていることを自覚しています。

 現在はスペインに単身赴任の乾選手。人口2万7000人ほどのエイバルは小さな町で、「サッカーに集中できるとてもいい環境」のようです。初めて練習に参加した際には、バルサやレアルに比べて小さな規模のクラブにもかかわらず、選手全員のパス、ポジショニング、守備、判断スピードなどすべてのレベルが高く、驚いたそうです。

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