岩清水選手は、なでしこの「中間管理職」!?

 5月にベトナムで開催されたアジアカップで初優勝を果たし、2015年ワールドカップ・カナダ大会の出場権を獲得したなでしこジャパン。最大の目標は来年のワールドカップ連覇ですが、そこへ向けて「育成」をテーマにしている佐々木則夫監督は、今回、アジア大会に向けて平均年齢約24歳と若手を中心にしたメンバーを招集しました。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita そのなでしこジャパンと、アフリカの強豪・ガーナとの強化試合が13日(土)に行なわれ、テレビ朝日ではその試合を生中継します(よる6時56分~放送)。

 試合に先立ち、先日、私は日テレ・ベレーザのグラウンドへ行き、なでしこジャパンのDFリーダーとしてチームを引っ張る岩清水梓選手を取材してきました。

 岩清水選手といえば、5月のアジアカップ準決勝と決勝で決めたヘディングでのゴールが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。特に準決勝の中国戦、延長後半のアディショナルタイムで決めた得点は、まさに値千金のゴール。このまま1-1の引き分けでPK戦突入か......と誰もが思い始めた状況で得たコーナーキックで、宮間あや選手の蹴ったボールをヘディングで押し込んだのです。

 私はその試合のスタジオ進行を担当していたのですが、ゴールが決まった瞬間、スタジオにいた全員と飛び上がって喜びました。そのゴールについてあらためて聞くと、岩清水選手は「自分はディフェンダーだから普段はそんなに目立つこともないし、地味な仕事をしているけど、あのゴールを決めた後はすごい反響で、自分でもビックリした(笑)」といいます。

なでしこの守備の中心、岩清水梓photo by Getty Imagesなでしこの守備の中心、岩清水梓photo by Getty Images 中国戦は、宮間選手のコーナーキックから澤穂希選手が先制ゴールを決めていたので、延長後半、選手たちがその再現を狙っていた場面での岩清水選手のゴール。「相手DFを引きつけてスペースを作ろうと思って動いていたら、たまたま自分のところにボールが来ただけ」と、自分でも予想外の展開だったようです。

 そのアジアカップでは、海外組がほとんど参加できなかったため、ディフェンスのレギュラーである近賀ゆかり選手(アーセナル)、熊谷紗希選手(リヨン)が不在で、守備のリーダーである岩清水選手としては、苦労した部分があったといいます。初戦のオーストラリア戦では守備のラインコントロールなどで息が合わなかったため、チーム全体のミーティング以外に、ディフェンダーだけのミーティングを何度も何度も重ね、その結果、徐々に連係が機能し始め、手応えをつかんでいきました。

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