F1、FIFAの公式パートナーとなったレノボ 契約の理由と競技への波及効果、もたらされた恩恵とは (3ページ目)
レノボはF1の魅力をさらに昇華させるために、グローバルスポンサーシップチームを増員して組織を拡大。地域ごとにリージョナルチームを組織するとともに、各レースに技術スタッフ、パートナーシップマネージャー、マーケティングの専門家など10~20名を派遣し、現場でのさまざまな変化に迅速に対応できるようにしている。
レノボはファン体験の向上を重要視しており、今後は現状以上の取り組みも構想している。
「レノボとF1はコンテンツ制作からライブ放送まで、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)といった最新鋭のテクノロジーの活用を含め、数々の分野でファン体験の向上を目指して協働しています。それによりF1がよりイマージブな形、没入型で楽しむことができるようになり、ファンのエンゲージメントが次の新しいレベルに変化していく可能性があります」(ロディーニ氏)
F1からの要望を反映し品質が向上
レノボがF1のパートナーになったことにより、同社製品の質の向上につながっている。
F1は世界各地で開催されているが、そのなかに、たとえば振動、灼熱、凍結、ほこり、乾燥といった過酷な状況下で実施されることがある。そのためハードウェアやサーバーなどのシステムもそれに耐えることはもちろん、高いパフォーマンスを維持しなくてはならない。F1側とはその面においても常にコミュニケーションを取り合っている。
「F1から日々フィードバックをいただいていて、それを我々は非常に重要視しています。その声を社内のサイクル、とくに製造部門に反映し、製品の機能をさらに微調整しています」(ロディーニ氏)
F1側から送られるフィードバックは決して簡単なものではないはずだが、レノボはその要望にしっかりと応え、信頼を勝ち得ている。そしてララ・ロディーニ氏は「F1で使用されている同じテクノロジーのものを、ビジネスカスタマー、一般のエンドユーザーも使うことができる」と語る。こうしてF1側からの信頼が、最終的にファンからの支持につながっているのだ。
また「F1ではリカバリーサービス(回収サービス)も行なっており、 95%の機材が非常に責任のある形、すなわちサステナビリティーに寄与する形で回収されている」と語るように、F1で使用しなくなった機材を機密情報などのセキュリティーに配慮しながら、リサイクルを行なうなどし、持続可能性についても尽力している。
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