大正製薬が考えるスポーツ協賛への思いと使命感 親和性の高いスポーツへの支援でファンと共に価値の創出を目指す (2ページ目)
親和性の高さで判断
大正製薬とスポーツの関わりは長い。1912年に輸入に頼らない滋養強壮剤の製品化を目指して創業し、1962年に「リポビタンD」を発売。そのころからアスリートを同栄養ドリンク剤のCMに起用し始めた。古くは王貞治氏、近年では大谷翔平選手、ラグビー日本代表なども起用。その時々のトップアスリートや話題のチームが登場することで、人々に驚きを与え、常に大きな話題をさらってきた。
CMへの起用だけでなく、スポーツ協賛の主だった流れで言うと、2001年から続くラグビー日本代表へのサポートが挙げられる。すでに20年以上に渡って協賛をし続けているが、この発端について宍戸氏は語る。
「現在当社の会長を務める上原明がロンドン出張をした際に、ラグビー日本代表監督を歴任した宿沢広朗さんにお会いし、『ラグビー日本代表を強くしたい』という熱い思いを聞いたのがきっかけです」
当時から大正製薬はスポーツチームを保有したり、特定のチームをサポートしたりしておらず、ラグビー日本代表へのサポートに障壁はなかった。また「当時のリポビタンDのCMコンセプトが『努力、友情、勝利』で、ラグビーとの親和性がとても高い」と感じ、タイミングとしても適していた。
こうして2001年からラグビー日本代表への協賛を決断。翌年から始まった国際親善試合の冠名も『大正製薬』ではなく、『リポビタンD』がよりふさわしいと判断し、「リポビタンDチャレンジカップ」がスタートした。
社内でもラグビー日本代表への協賛について反響が大きく、リポビタンDチャレンジカップでは社員で応援団を作り、日本代表のジャージを身にまとってスタジアムに足を運んでいるという。
さらに前述したように、2019年のワールドカップ日本大会の協賛を行なったのち、2022年にはニュージーランド代表"オールブラックス"への協賛もスタートさせた。
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