五輪出場全選手にスマホ贈呈。サムスンが製品のアピールよりも大切にしていること (3ページ目)
「ギャラクシーがターゲットとしているのはZ世代(1990年代中盤~2000年代終盤)なんですが、そのZ世代がスポーツクライミングやスケートボートなどの新しいスポーツに取り組む人が多いため、我々のターゲットと親和性があるというのが選考基準の一つです。大迫選手の場合は、新しい価値観、創造的な考え方を持っている選手なので選出しました。
もちろんメダルを獲得できるような実力、強い意志を持っていることも理由の一つです。また、モバイルメーカーとして、ソーシャルメディアでのエンゲージ力が高い選手、フォロワー数が多い選手というところも基準にあります」
宮崎県出身でイギリス国籍を持つ13歳のスケートボーダー、スカイ・ブラウンのインスタグラムのフォロワー数は80万を超えている。ちなみにイギリス代表として来日する彼女は、夏季オリンピックではイギリス史上最年少での出場となり、本国では大きな話題となっている。もちろん、日本で注目度の高い大迫傑、原田海も多くのフォロワーがいる。
大会が1年延期となり、220億円と言われた追加費用をスポンサーも負担することになった中、具体的な金額こそ公表されていないが、サムスンとしても支援をしてきた。新型コロナウイルスの感染拡大により、大会中止、再延期などが叫ばれる先の見えない中にあっても、サムスンは、ブレない信念で突き進んできた。
「これは社風でもあるのですが、我々もビジネスの中で変化を求められることは常日頃あるので、スピード感を持ってその変化にどう対応していくか、それを常に重要視しています。オリンピックの1年延期もそのうちの一つになります。だから大会が延期になったことで、社内で大きな動揺や混乱はなかったです。
たとえオリンピックが開催できなかった場合でも、選手たちは目標を定めて日々努力しているわけで、我々としては選手を応援するべきだし、彼らの活動を追いかけるべきだと思っていました。これはオリンピック精神の趣旨の一つにある、困難に対してどう立ち向かっていくか、それを我々も試されているかなと考えていました」
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