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クラシコで「メッシ時代」幕開けの一撃。
超攻撃戦術が走り出した

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 スペインのみならず、全世界がその一戦に注目するクラシコ。バルセロナとレアル・マドリードの長きにわたる戦いは、数々の伝説を生み出してきた。ここではこれまでのクラシコの中から、記憶に残る激闘・感動の一戦を、スペインで豊富な取材経験を持つスポーツライターに厳選してもらった。
若きメッシのシュートを必死で阻止するレアル・マドリード守備陣若きメッシのシュートを必死で阻止するレアル・マドリード守備陣
2008-09年シーズン第15節 
バルセロナvsレアル・マドリード
@カンプノウ

 2007年10月、バルサBで指導者1年目だったジョゼップ・グアルディオラに、筆者は話を聞く幸運に授かった。立ち話ではあったが、特別に数分間だけの(指導者になった彼は会見のみで、単独インタビューを一切拒否)、貴重な"単独インタビュー"だ。

「バルサで下部組織からトップでプレーし、指導者として自分は帰ってきた。これほど幸せなことはないだろう。ただ、バルサは20年間、同じプレーモデルを継承してきた。自分もそれに関わった一人にすぎないし、それはこれからも変わらない。(ヨハン・)クライフが、バルサの進むべき道を示してくれた。我々はその道を行くのだ」

 その言葉は戒めのようで、予言的でもあった。

 グアルディオラはバルサBを4部から3部に昇格させる使命を見事に果たし、2008-09シーズンからはバルサのトップを率い、苛烈な戦いを見せた。リーガ・エスパニョーラ3連覇を達成し、2度の欧州王者になった。ボール支配率は8割近く、圧倒的に攻撃し続けた。たとえボールを失ってもショートカウンターで猛烈に再攻撃へ転じ、息もつかせない。最強伝説が生まれたのだ。

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