リーチ マイケルの大活躍を支えた。ハイテクスパイクとは「相性抜群」

スパイクへのこだわりも見せるリーチ マイケルスパイクへのこだわりも見せるリーチ マイケル 今回のラグビーワールドカップでこれまで以上に注目を集めた日本代表のリーチ マイケル。キャプテンとしてチームをけん引し、日本ラグビー史上初のベスト8進出の立役者の一人となった。荒々しくも常に冷静さを失わないクレバーなプレーぶりは、多くのファンを魅了し、彼がボールを持つたびに、スタジアム中に「リーチ!」の声がこだまする現象も起こるなど、その人気ぶりはかつてないほどに膨れ上がっていた。それほどまでになったのは、彼の人柄やプレースタイルはもちろんのこと、高いレベルを追い求める姿勢、勝負に懸ける細部へのこだわりが、人々の心を動かした要因の一つだろう。

 その姿勢やこだわりはプレーだけでなく、スパイクにも向けられていた。リーチ マイケルが着用していたスパイクは、アシックスの「LETHAL WARNO ST 2(リーサル・ワルノ ST 2)」。アシックスは2016年からリーチ マイケルと契約し、オフには必ず履き心地のフィードバックをもらい、足型の計測を行なうなどして、最適なスパイクを提案してきた。リーチ マイケルの要望はこうだった。

「僕は骨盤が前傾しているので、フラット(底が平ら)なスパイクだと筋肉が働きにくくなってしまうんです。なので、僕がスパイクを選ぶうえで重視しているのは、かかとが上がっているかどうかと、履いたときのバランスです」

 スクラムを後方から押すFL(フランカー)やNo.8(ナンバーエイト)を担うリーチ マイケルにとって、低重心での前方への推進力や突進力は必要不可欠。アシックスはこの要望を聞き、LETHAL WARNO ST2を提案。つま先よりかかとが10ミリ高くなった『HG10mm』というテクノロジーを搭載し、スクラムを組んだ時に地面へのグリップ力が向上するよう、つま先部にサブスタッドを備えているスパイクだ。また、取り換え式のスタッドにし、さらに軽量化を図る工夫も行なった。リーチ マイケルは言う。

「フィット感がとてもいいし、かかとも上げてくれるので、体が前傾になって走りやすいです。ヒザやスネの負担が軽減されるので、ケガの予防にもつながると思います。僕の足とアシックスのスパイクは相性抜群。履くと気分が高揚して、すぐにでも試合がしたくなるほどです」

 アシックスは今回のワールドカップでも、リーチ マイケルのサポートを行ない、試合ごとに新しいスパイクを送っていた。そのサポートに報いるかのように彼はピッチで躍動。開幕のロシア戦では先発出場し、続くアイルランド戦では劣勢の前半30分から登場し、スタジアムの雰囲気を一変させる鬼気迫るプレーで、"静岡の衝撃"とまで言われた逆転勝利の原動力となった。

 その試合後にアシックスの担当者が直接会いに行くと、本人から「(スパイクについて)非常に満足しています。開発担当者に感謝を伝えてほしい」と言づけ。さらにリーチ マイケルは、感謝の意を動画に撮ってアシックスに送っていた。担当者は振り返る。

「アイルランド戦後に、リーチ選手からスパイクに関するお礼のビデオメッセージをいただきました。わざわざ自分で撮影してくれていました。試し履きなしで履いても、すぐに足にフィットすること、アシックスの樹脂製の取替式スタッズをつけるとさらに軽くなって、よりゲームに集中できること、勝因の一つであるスクラムの時に、『LETHAL WARNO ST 2』がパフォーマンス向上に貢献していることを伝えてくれました」

 リーチ マイケルの足元を支えたアシックスのスパイクが一つの例であるように、ラグビーのピッチという表舞台の裏で、選手一人一人のために多くの人たちの努力や思いが重なった結果、日本代表の歴史的な偉業があったことを、ファンはしっかりと心に刻んでおきたい。リーチ マイケル愛用の「LETHAL WARNO ST 2」リーチ マイケル愛用の「LETHAL WARNO ST 2」

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