伊達公子が若い子に伝えたい「トレーニングと用具選びの重要性」 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

最後は若い選手にエールを贈ってくれた最後は若い選手にエールを贈ってくれた「まずは私が再チャレンジを始めたのは、若い選手に刺激を与えたい、コートのなかで何かを示したいという思いがあったからです。ただ、それから10年経った今も、まだ変わっていない点も多いのかなと思います。

 プロテニスプレーヤーに憧れて実際になる以上は、プロフェッショナルであってほしいと思います。『夢見る夢子』のままでプロになってほしくない。夢は叶えるために掲げるわけですから、それを実現するには何をしたらよいのかを考えてほしいと思います。私は、努力という言葉はあまり好きではない......それは、努力はして当然だと思うからです。

 すでにWTAツアーレベルで戦っている選手たちは、現実的に常に勝つことの難しさを目の当たりにし、何が必要なのかもわかっているのでいいのですが、これからそこで戦いたいと思っている選手たちがやるべきことをやっているかと言ったら、残念ながらまだそこは足りていないのかなと思います。日本の選手がオンコートに費やす時間は長いのですが、パフォーマンスを上げるためにオフコートでできることは、まだたくさんあると思います。食事やトレーニング、メンタル的な部分もそうです。

 また、ツアーをどう周るのかも、必要な要素になると思います。ツアー仲間や大会スタッフ、細かいことを言えば審判なども含めて、認められる存在にならないといけません。真の意味で自分の存在位置や存在価値を示していかないと、プロテニスプレーヤーという意味では厳しいと思います。そのことを示していける人、そこの空気感を知っている人はひと握りですし、言える人も限られているかなと思います。

 私自身は、今は特定の選手をコーチングしたいということはないので、環境整備などをやっていければと思います。テニスというスポーツはこれだけ世界中でメジャーであり、日本での競技人口も多いのですが、世界と比べたら環境や人気もまだまだ。そのあたりが釣り合うように、啓蒙的な部分も含めてテニスをメジャーにするための活動をやっていきたいと思っています」

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