「チャットGPT時代に必要なものとは?」 身につけておきたい「投資家的素養」 (2ページ目)
【生成AIの現状は?】
奥野「『チャットGPT』は、本当に1日のなかで5回くらい聞く言葉になったよね。生成AIの一種とされているんだけど、じゃあ生成AIってなんだろう。わかるかい?
生成AIとは、学習したデータをベースにして、新しいコンテンツやデータを作成する人工知能のこと、とでも言えばいいかな。
たとえば由紀さんが『運動部のマネージャーに必要な能力ってなに?』と打ち込んで質問したとしようか。すると、こんな答えが返ってくる。
『運動部のマネージャーには、部員の健康面や精神面のケア、道具の管理や記録などが求められます。また部員が部活に集中できるように、細かい気遣いが求められますし、部員に自分のことをよく理解してもらうことも大切です(以下、略)』。
いささか杓子定規というか、『そんなこと知ってるよ』と言いたくなるような回答もあるけど、いろいろ使ってみると、そこそこよくできてはいる。
『AI』という言葉は、実は新しいようで昔からあるんだ。最初にAIがブームになったのは1960年代(諸説ある)で、そこからあまり注目されない冬の時代を経て、1980年代には第2次ブームになったんだ。そして、今のAIブームは第3次と言われていて、これが2006年くらいから今に至るまで続いているって感じだね。
特に今回の第3次ブームでは、膨大なデータ管理を可能にしたビッグデータ、機械学習の一種であるディープラーニングなどの要素技術が大きく発展したことによって、より人工知能らしいAIが誕生したとも言える。とはいえ、僕が何となくチャットGPTなどを自分でいじっていて思うのは、『これは言葉を単純にうまく回している仕組みにすぎない』ということかな。
たとえば、『むかしむかし』という言葉がきたら、その次には『あるところに』という言葉へとつながる確率が高い、ということをAIが計算したうえで、その言葉をつなげていく。それを世の中にある膨大なデータの中から短時間で抽出して、随時行なっていくのが、現状における生成AIの実態だと、先生は思っているんだ」
鈴木「映画の『ターミネーター』みたいな世界になるんじゃないかなんて言われていますけど、AIが人間の頭脳を超える日は来るんでしょうか」
由紀「それ、ちょっと怖いかも。ちょっと前の話になるけど、囲碁の世界チャンピオンにAIが勝ったなんてことを聞いたような気がします」
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