高校生の投資教育はなぜ始まったのか。ナイキの厚底シューズから見えるもの (2ページ目)
高校生に向けて投資教育が始まった理由
「家庭科の授業っていうと、昔は調理実習とお裁縫というイメージだったのだけど、今はそれらに加えて、育児や介護、民法、ライフプランまで含まれていて、さながら生きていくための知恵を学ぶカリキュラムになっているよね。そのひとつとして、今年の4月から家庭科のカリキュラムに加わったのが金融教育なんだ。
ただ、投資教育、金融教育といっても、株式投資で大儲けするための方法を教えてくれるわけじゃないよ。そもそも『お金』って何なのか、上手にお金と付き合っていくにはどうすればいいのか、などを理解するためのカリキュラムと思ってくれればいい。
じゃあ、お金って何だろう。日本人のなかには、『お金=汚いもの』、『お金持ち=悪いことをやっている人』という先入観を持った人たちが、結構いる。お金に対して、かなりネガティブ思考なんだ。テレビドラマなどで『お金持ち=権力者=悪者』みたいに描かれるケースが多いからかなー。いつの間にか、そんなイメージが刷り込まれてしまっている。
でも、よーく考えてみて。お金が本当に悪いものだったら、僕たちは毎日、その悪いものを使って生活していることになる。そんなバカな話はないよね。お金そのものにはいいも悪いもないんだよ。結局、お金を持つ人次第のところがあって、ポジティブに捉えている人が持てばいいものになるし、ネガティブに捉えている人が持てば悪いものになってしまうんだ。
そして、僕たちは、世の中を少しだけでもいいものにしたいと願いながら日々、暮らしている。だとしたら、お金のことも、もっとポジティブに捉えるべきじゃないだろうか。
ということで、僕は『お金ってなんだろう』と聞かれたら、こう答えるようにしている。『お金はありがとうの印です』とね」
鈴木「ありがとうの印......ますますありがたい!」
由紀「お金って、たくさんあればあるほど、いろんなモノが買えるのはわかるけど......。どういうことですか?」
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