「日本人ってダンスに興味がないんだ」からの野望とは...。ダンサーFISHBOY、兄・中田敦彦のアドバイスでYouTube登録者数が激増 (2ページ目)
「なんで誰もいなかったんだろうと考えた時に、日本人ってあまりダンスに興味がないんだと思ったんです。野球やサッカーが世界一になったら、メディアも空港にくるじゃないですか。でもダンスはみんな興味がないし、メディアも飛びつかない。ただそれだけのことだったんだと思いました」
世界一になったことが、図らずも、自分がいるダンス界がいかにニッチなジャンルかを思い知らされた。この現状を何とかしたいと思うのは当然ことだ。しかし真の意味でFISHBOYを突き動かしたのは、"若手ダンサーたちの未来を変えたい"という思いだった。
「その当時、僕をしたってついてきてくれる若い生徒たちがいました。僕が経験した思いを彼らに味わってほしくないですし、ずっと何十年も繰り返すのは嫌だなと思ったんです」
さらにFISHBOYは続ける。
「それで空港に記者が来る世界を思い描いてみた時に、極論、日本人がみんなダンサーだったら興味を持つじゃないですかと。だからそこを目指せば、空港に記者が来る未来に近づくなと思って『日本人全員を踊らせる』ということを掲げて活動をし始めました」
23歳で世界一になり、この野望を掲げてからは、テレビに出演したり、ブログを書いたりと積極的に活動をしてきた。しかし「23歳の若さなので、僕の言葉には力がなくて、最初の何年かは自分の影響力のなさと信用のなさを痛感した」という。それでも地道に活動を続け、2020年1月にはYouTubeチャンネルも立ち上げた。ここでも決して順風だったわけではない。
「当初は『FISHBOY DANCE NEWS』と銘打って、ダンスのニュースやダンス事情とかを発信していこうと思っていたんですよ。でも新型コロナの影響でイベントがなくなって、ダンス界にニュースがなくなってしまった。コロナ禍でのレッスンの仕方やコロナ禍で使える道具とかを発信するしかなかったんです。
しかもめちゃめちゃ主観だったんですね。一般の人にとってはそれほど興味がないコンテンツを、『これなら興味があるでしょ』という感覚で流してしまっていたところがありました。
30代の人たちの気持ちをわかっていたつもりだし、一般の人のダンスの見方もわかっていたつもりなんですけど、自分ってまだまだエゴがあるんだなというのを、YouTubeをやって感じました。いいコンテンツを作れば見てくれるだろうと勘違いしてしまっていたんですね」
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