スタイルよし、泳ぎよし。日本の女子平泳ぎに好キャラが揃ってきた

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 日本選手権水泳競技大会最終日、4月8日の女子200m平泳ぎは錚々(そうそう)たるメンバーが名を連ねた。

200m平泳ぎで優勝した青木玲緒樹(中央)、2位の渡部香生子(左)、3位の鈴木聡美(右)200m平泳ぎで優勝した青木玲緒樹(中央)、2位の渡部香生子(左)、3位の鈴木聡美(右) まずは、昨年同大会で100mと200mの2冠を達成し、今大会の100mでは、日本記録に0秒02まで迫る1分05秒90で優勝した青木玲緒樹(れおな/ミキハウス)。また、ロンドン五輪銀メダリストの鈴木聡美(ミキハウス)は、50mで日本記録を塗り替え、100mでは2位と、好調を維持して200mに臨んだ。さらに、復活の気配を感じさせる2015年世界選手権200m平泳ぎ優勝の渡部香生子(かなこ/早大)も出場した。

 このなかで200m平泳ぎを制したのは、2分21秒85の自己ベストで泳いだ青木だった。

 5日の100mで青木は、「後半は自信があるので前半から積極的にいった」と、渡部の持つ日本記録のラップを上回る入りをした。「高地合宿でスタートやターンなどの練習もして、そういう細かい部分がベストにつながったのだと思う」と好結果に笑顔を見せていた。 

 しかし、調子がよくキックの足がしっかり水にかかったことで、左股関節に痛みが出ていたという。平井伯昌コーチ曰く、「元々左は足の裏というより脚全体で水を押す癖があったので、小さいころから足がかかってくると左の内転筋が張ってしまっていた。調子がいいという証拠でもありますが、正直、昨日(決勝前日の7日)のウォーミングアップは最悪で、レースは慎重にいかせた」と話す。その影響もあって、7日の200m予選と準決勝はともに4位通過と抑え気味の結果だった。

 それでも、青木自身も200mは得意としていて、思い入れのある種目だ。

「他の選手もどこか痛い中でがんばっているのだから、私もそれを乗り越えてがんばっていかなくてはいけない。決勝は、もうどうなってもいいやという気持ちで臨んだ」

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