金じゃなくても大きな意味のある男子200m平泳ぎ「ダブル表彰台」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao

 それでも小関は、「みなさん勘違いしているかもしれないけど、僕は前半を突っ込んでいるわけではないんです。あれは焦った速さではなく、調子がよければあのテンポの中でうまく水を捉えられるから自然と速くなってしまう。今日は一番きつくて全員がタッチへ向けて死に物狂いで泳ぐラスト25mをしっかり泳ぎ切ることを意識して、125mから徐々に上げていこうというプラン通りの泳ぎができました」と振り返る。

 渡辺も、前半の100mまでは、50mからのストロークを準決勝より1回減らす14にし、ラップタイムを少しだけ上げていくというプラン通りの泳ぎで、「瞬間的なスピードがないというのは弱点ですが、ラップで泳げるのが僕の強みであり、他の人にはできない部分だと思います。今日も50~100mは14ストローク、32秒5で泳ぎたいと思っていたのができました。ラスト50mは33秒01かかってしまったけど、自分自身の泳ぎはできたと思う」とレース後に語っている。

 ふたりのラスト50m勝負は、ラップタイムを32秒78まで上げた小関に軍配が上がったが、チュプコフの追い上げからは逃げ切れず、結果、チュプコフが2分06秒96で優勝した。小関は2分07秒29の2位で、渡辺は2分07秒47の3位。決勝は、まさに全員が力を出し切る戦いを演じた。

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