【リオ五輪】萩野公介が金メダルを獲得。天才スイマーは真のエースへ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 直接対決となった決勝で、吉と出たのは萩野だった。

「予選もいい感じで泳げたし、決勝もいい泳ぎができたと思うので、計算通りの試合ができたと思う」と言う萩野に対し、瀬戸は「決勝は疲れちゃいました。予選はすごくいい感じだったので、そのままいけると思っていたけど、昼寝から起きてみたら意外と疲労感があったので、まだダメだなと思いました」と苦笑する。

 萩野は、「最後の50mでチェース選手が迫ってきたので、すごく怖かったけれど、もう自分がやれるのはキックを打って勝ちきることだけだと思ったので......。スタミナは残っていました。そのための平泳ぎですから、下手くそだけど最後の自由形につなげられればいいかなと」とレースを振り返る。

 最後の自由形を58秒09でカバーして、4分06秒05のアジア記録をマークし、ケイリシュを0秒70抑えて優勝した。

「公介とチェースは、しっかり自分たちの実力を出し切っての大幅な自己新だったのが、金メダルと銀メダルにつながったけど、自分は4分09秒71で本当にヤバい記録。もっともっと練習が必要だと思いました」と瀬戸はいうが、彼もケイリシュに続く銅メダルを獲得して、日本競泳60年ぶりのダブル表彰台を実現したのだ。

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