2012.08.03

【水泳】入江陵介、宿敵に勝つも銀メダル
「今はこの順位に胸を張りたい」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

銀メダルを掲げる入江陵介(右)。中央はタイラー・クラリー、左はライアン・ロクテ 大会前には「100mで金メダルを獲得して余裕を持ち、200mでは世界王者のライアン・ロクテ(アメリカ)に思い切った勝負を仕掛けたい」と話していた入江陵介。競泳3日目の100m背泳ぎ決勝では、それまで200mをベースに練習してきた泳ぎを崩し、前半から速いテンポで入れるような練習をしてレースに臨むという、『一か八かの勝負』に賭けた。準決勝の結果を見て、優勝タイムは52秒半ばに納まるだろうと考えたからだ。

 だが、結果は3位だった。後半勝負を意識した6レーンの入江は、5レーンを泳ぐ昨年の世界王者のカミレ・ラクール(フランス)をマークし、思惑通りの泳ぎで0秒11抑えたが、全米選手権で52秒08を出していた4レーンのマシュー・グレバース(アメリカ)が52秒16を出して優勝したからだ。さらに、2レーンのニコラス・トーマン(アメリカ)にも、0秒05届かなかった。

 それでもレース後の達成感は、予想以上だったという。期待された北京五輪で重圧に敗れ、5位に終わった悔いを、やっと晴らした気持ちになれたからだ。

 メダルの色は違ったものの、それを獲得したことで、精神的にも余裕を持って臨めた本命の200m。レースのターゲットはもちろん、昨年の世界選手権で圧倒的な力の差を見せつけられた、ライアン・ロクテ(アメリカ)だ。

 8月1日の準決勝で入江は、決勝のシミュレーションを試みた。隣のレーンを泳ぐロクテとの距離を測りながら泳ぎ、0秒28差の2位でゴールしたのである。そしてロクテが昨年の世界選手権ほど、調子が良くないことも確認した。

「昨年の世界選手権では前半から離されてしまったけれど、今日の感覚でロクテに付いていけば、いいタイムも狙えると思う。いい位置で付いていくというか、むしろ最初の50mでは先行するぐらいの気持ちで行きたい」