箱根予選会をトップ通過した立教大 監督不在を乗り越えてキャプテン安藤は「みんなで笑って終わりたい」 (2ページ目)
強化のなかで、積極的に取り組んだのが距離走だった。
ただ、一概に距離を増やすことはしなかった。選手の力に応じて、個別に走る量を調整していった。
「監督は自分たちに合った形で練習量や距離を調整してくれていました。わりとスピードが得意な選手が多いので、そこにうまく距離を合わせていく形で進めてくださったことで故障者が減り、しっかりと練習を積めるようになったんです」
安藤はそう語る。
スピード系が多いのは、前任者のスカウティングのポイントであり、練習もスピード強化のメニューが多かった。その能力が高いことを把握した髙林監督は、距離走をかみ合わせることで選手たちのパフォーマンスを向上させた。
その最初の結果が全日本大学駅伝予選会の突破だった。
安藤は、短期間ながらいろんなものが噛み合ってきたと感じた。
「監督が来られて、走力がかなり上がりました。みんな、練習を消化していくごとに自信をつけていくことができましたし、それが全日本の予選会にも出たかなと思います。ここまでみんなが順調に伸びてこられたのは、もちろん監督の指導が大きいですが、上野(裕一郎・前監督)さんがいろいろやってくれたことも今の強さに繋がっています。僕はこの4年間があっての予選会トップ通過だと思っています」
今回の箱根駅伝の予選会は4年間で「強くなった」ところを見せつけた。順調な走りだしを見せ、10キロ、15キロ、17.4キロと各観測地点を1位で通過した。継続してトップを走ることは力がないとできない。立教大の力強い走りをみれば、これまでのベースに上積みした髙林監督の指導で選手がさらにスケールアップしているのが見て取れた。
安藤は言う。
「予選会の目標は3位内でした。そのくらいじゃないとシード権は獲れないと思ったのでそこをひとつの目安にしていました。実際はレースを前半からいい感じで進められて、後半もペースを維持できました。昨年の予選会で自分は後半落ちてしまったのですが、今回は粘ることができました。自分を含め、みんな距離を増やしてきたことで、後半も維持できる走力がついてきたなと思いますし、ベースとして選手個々の力がすごく高いなというのをあらためて思いました」
立教大は選手の個人記録でトップが馬場賢人(3年)で15位。林虎大朗(4年)が25位、國安広人(3年)が30位、安藤が43位と50番内に4人が入り、100番内も8人と出走した選手が安定して力を発揮した。
この結果に髙林監督も笑顔を見せた。
「3、4年生を含めて、全員が最後まで崩れずにいけたのがトップ通過に繋がりました。私自身初めての予選会だったので、ホッとしました」
安藤はチームの成長をしみじみと感じたという。
「僕が入学してきた時は箱根を目指すと言っていたけど、正直、どうなるんだろうっていう不安しかなかったです。最初の予選会は16番に終わって本戦に出場できなくて10位内のチームとの差を感じました。でも、2年目に6番、3年目も6番、そして今回1番で行けたというのは驚きでもありますし、チーム全体の成長を感じました」
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