東洋大学「鉄紺の覚醒」のダブルキーマン・梅崎蓮 & 石田洸介 地道に力をつけた主将とスーパーランナー復活までの道のり
梅崎(手前)と石田は、ともに前向きな姿勢で最後の学生シーズンを走り続ける photo by Murakami Shogoこの記事に関連する写真を見る
東洋大学・梅崎蓮&石田洸介インタビュー 前編
箱根駅伝総合優勝を目標に掲げる2024年度の東洋大学陸上競技部(長距離)。チームの中心としてカギを握るのは、主将の梅崎蓮とスピードランナーとしての資質が高い石田洸介の4年生ふたりだ。
梅崎は入学時から地道に練習を積み重ねチームの軸となり、箱根駅伝に学年で唯一3年連続出場し、関東インカレではハーフマラソンで3年連続の表彰台に。石田は5000m高校記録更新などの実績とは裏腹に苦しい競技生活を過ごしてきたが、今年5月には1万mで4年ぶりの自己ベスト更新を果たし、復活の兆しを見せている。
対照的なタイプのふたりが歩んできたこれまでの3年間、そしてチームとして「鉄紺の覚醒」をテーマに掲げる学生最後のシーズンにかける思いを聞いた。
【関東インカレでそろって好スタート】
――5月の関東インカレ1部では梅崎選手がハーフマラソンで2位、石田選手は1万mで6位入賞。チームとしてはふたりを含めて両種目で各2名ずつの入賞者を出しました。まずは箱根後に新チームとなって以降、ここまでの手応えはいかがですか。
梅崎 個人としては(ハーフマラソンで)3年連続表彰台に上れたので、継続して練習を積めてきたので、いい経験になったと思います。チームとしては個々人ではいい成績を残せた選手がいる一方、まだまだ全体の層が薄いので、その部分をしっかり強化しなければいけないと感じています。
石田 自分にとっては最初で最後の関東インカレだったので、悔いなく走ろうと思って臨みました。途中、先頭でレースを引っ張りながら最後に負けてしまったので、課題は残ったのですが、今出せる力を全部出して4年ぶりの(1万m)自己ベストで6位に入れたことはよかったと思います。
チームとしては、梅崎しか表彰台に上れなかったという見方もできるので、悔しい部分が残りました。入賞することも悪いわけではないですが、3位と4位はやはり大きな違いですし、もう少し1部校のなかで見せ場を作れればと思いました。
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著者プロフィール
牧野 豊 (まきの・ゆたか)
1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「Jr.バスケットボール・マガジン」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。22年9月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。