箱根駅伝で順天堂大は総合5位以内となるか 三浦龍司の主将としての変化に監督は「自分以外のことで悔しがるのを初めて見た」 (2ページ目)
【3000m障害ランナーにとっての20kmの意味】
長門監督は毎年恒例の12月上旬に行なわれるトークバトル(前回大会の上位5チームの指揮官が出席)で、チームのキーマンとして今年は前回9区の藤原優希とともに共同主将を務めた三浦龍司の名前を挙げた。
三浦は大学1年時から3000m障害で日本のトップ選手に台頭すると、その後は一気に世界の舞台に駆け上がっていった。2年時の2021年には東京五輪に出場し日本人初となる7位入賞、2022、23年には世界陸上選手権に連続出場し23年は6位入賞、世界の強豪が集うダイヤモンドリーグの年間王者を決めるファイナルでも5位と、世界トップクラスの仲間入りを果たした。一方で大学駅伝でも存在感を発揮し、1、 2年時は全日本で区間賞を獲得、3年時は出雲で区間2位、全日本で区間3位と力を見せた。
かたや箱根では1区を走った1年時は区間10位、2区を走った2年時は区間11位、3年時は区間12位と、見ている側には「もう少し走れるのでは」という印象を与える結果だったが、三浦はこう振り返る。
「僕自身は3000m障害の選手なので、距離でいえば3000mで最大限の力を発揮するため、(駅伝を含めた長距離における)スタミナよりスピードを重視した体づくりと練習を半年以上やった上で、駅伝シーズンに向かっています。その過程では故障のリスクもあり、(駅伝用の)練習の継続や体のメンテナンスの部分で難しさもありました。でもこれまでの3年間の駅伝はダメな結果なのかといえば、自分自身はそうは思っていません。毎回毎回、納得して消化できているので、逆に駅伝への取り組みは無駄じゃなかったかなと思っています」
箱根駅伝では周囲の期待値があまりに高すぎるゆえ、結果との差があったように見えるが、実際にはそうではない。三浦は前回の2区こそ1時間08分11秒で順位を3つ落としたものの、2年時の2区は快走した日本人トップの田澤廉(駒澤大、現・トヨタ自動車)には1分31秒差だったが、日本人2位には42秒差。1年時の1区は区間1位に31秒差と、大崩れしているわけではない。3000mを主戦場としている選手が1区間20km以上の距離の箱根駅伝を走ることを考えれば、十分に役割を果たしているといえる。
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