箱根駅伝の往路優勝もありえる充実の創価大。薄底シューズの練習に成果、復路も人材はいる (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by SportsPressJP/AFLO

【往路優勝も見えてきた】

 そんなチームをさらに勢いづけたのが、前回3区で区間3位の快走以来はケガで苦しんでいた葛西潤(3年)の復調だ。10月から本格的な練習を始めると、11月20日の早大競技会5000mで自己記録に迫る14分06秒74で1位になり、その8日後の東海大競技会では途中の6000mを引っ張り、28分43秒40でゴール。過去2年は日本人エースが走っていた1区を任せられる状況になってきた。そうなれば箱根で目覚ましい走りをしている日本人エースの嶋津を前回と同じ4区で使える。

「3区と7区はつなぎの区間のイメージ」という榎木監督は、その両区間には将来のエース候補と考える1~2年生を起用したいだろう。それでも1区をうまく出られれば、4区の嶋津と5区の三上でトップに立ち、昨年に続く往路優勝というシナリオもあり得る。

 さらに復路も、今年はロードで確実に走り、苦手意識のあったトラックでも28分42秒44を出した緒方を中心に人材はいる。4年の中武泰希は昨年、座骨の故障があったものの、今年の夏からは、いい練習が積めてきている。

 ほかにも世田谷ハーフを1時間03分58秒で走っている石井やチーム内のハーフのタイムトライアルで嶋津に1秒差の1時間3分台でゴールした松田爽汰(3年)など、8、9、10区候補は5人ほどいる状況。

 速さより強さを求めた今年は、練習でも交互に先頭を引っ張りきつさを経験させたり、レースでも常に積極的に走ることを指示して実践させてきた。その成果は箱根でも十分に出せそうだ。

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