2021.10.05

箱根駅伝に向けトラックシーズンから見た戦力分析。優勝候補となりそうな3大学の状況は?

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 長田洋平/アフロスポーツ

 駅伝シーズンが近づくにつれ、「今年は強い」と高く評価されているチームのひとつが、早稲田大だ。

 前回の全日本大学駅伝では5位、箱根駅伝では6位と安定した成績を残した。今シーズンは、箱根駅伝のメンバーが9名残っており、そのなかでも軸となる4年生の顔が見えているのが大きい。

 主将の千明龍之佑は5月の法大記録会5000mで13分31秒51の自己ベストを更新し、関東インカレの5000mでは三浦龍司(順大2年)に敗れたが3位に入り、強さを見せた。中谷雄飛は昨年、5000m(13分39秒21)、10000m(27分54秒06)と自己新をマークしたが今年は、それらを更新できていない。関東インカレ10000mでは8位、日本インカレ5000mは途中棄権で成績としてはもうひとつだが、最後となる箱根駅伝に向けてはしっかりと調整してくるはずだ。太田直希も中谷同様、昨年は10000mで27分55秒59を出すなど3種目で自己新を出したが、今年は関東インカレ10000mで13位と本来の走りができなかった。その後、故障があってそのまま夏合宿に入ったが35キロ走にも取り組み、状態は上向きだ。

 上級生で好調だったのだが3年の井川龍人だ。4月の日本学連10000mの記録会で自己ベストを10秒以上縮める27分59秒74を記録した。日本インカレ5000mは16位に終わったが、調子は悪くない。

 存在感を見せたのが、2年生だ。

 関東インカレのハーフでは佐藤航希が6位と健闘し、3000mSCでは諸冨湧が7位、北村光が8位に入賞した。その3000mSCで優勝したのが菖蒲敦司、1500mで2位と中距離でのスピードとタフさを見せた。5000mでもホクレン千歳大会で13分52秒46の自己ベストを更新している。少数精鋭の早稲田にあって、彼らが中軸になりつつある。

 1年生では石塚陽士が関東インカレ1500mで6位とまずまずの走りを見せた。入学当初、大学生活になじむのに苦労したが、ここにきてようやく自分のペースがつかめてきており、競技にも好影響が出ている。スピードがあるだけに出雲駅伝で出番があれば、かなり楽しみだ。5000m高校歴代2位(13分36秒57)を引っ提げて鳴り物入りで入学した伊藤大志は、関東インカレ、日本選手権、ホクレン千歳大会で5000mに出場したが、いずれも後半に失速し、高校時代の自己ベストを更新できなかった。だが、夏合宿ではしっかりと距離を踏み、山上りでの特性も見せている。

伊藤が特殊区間(5区)で走ることができれば、早稲田にとっては往路を優位な展開に持っていける計算が立つ。ただ、勢いは下級生が作ってもレースの流れを作るのは上級生たちだ。3、4年生の状態がこれから戻ってくれば、駒澤大、青学大に十分に対抗できる戦力が整う。

(後編に続く)

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