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才色兼備のハードラー田中佑美は自分の殻を破る「パリ五輪を見据えて」

  • text by Sportiva
  • photo by FUJITSU SPORTS

100mハードルで五輪を目指す田中佑美 ©FUJITSU SPORTS100mハードルで五輪を目指す田中佑美 ©FUJITSU SPORTSこの記事に関連する写真を見る

 女子100mハードルは華やかだ。10台並んだハードルをダイナミックかつスピーディーに越えていく様は、女子トラック競技の花形とも言える。寺田明日香、清山ちさと、青木益未、柴村仁美らランキング上位の実力者たちは、ハードリングのフォームも整っていて美しさが際立っている。

 そんな女子100mハードルの上位陣に割って入る存在なのが、新社会人として名門、富士通陸上競技部に入部した田中佑美だ。自己ベスト13秒18は日本歴代11位、学生歴代2位の記録で、立命館大学在籍中は関西インカレで4連覇、日本インカレでは4年連続で3位以内に入り、19年には優勝を果たしている。さらに学生最終年の昨シーズンは日本選手権で4位入賞と、表彰台まであと少しのところまで来ている。

 また勉学でも目を見張るものがあり、大学の成績を数値化したGPA制度で、4.47の好成績を残している。ちなみにGPAの平均は2.4~2.8ほどで、3.5以上はかなり優秀だとされている。この勉学と陸上の両立、そして主将として部員をまとめ上げたことが評価され、大学スポーツ協会の年間表彰式「UNIVAS AWARDS 2020-21」で、ウーマン・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

 まさに才色兼備のハードラー、田中佑美。将来を嘱望される彼女に陸上との関わりや今後の目標などについて話を聞いた。

――先日、大学スポーツ協会のウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。改めて大学4年間で満足できたことはどんなところですか。

 大学生になって記録が低迷する女子選手が多い中で、4年間、ある程度安定した成績を残せたことは自分の強みでもありますし、一番よかった点かなと思います。4年時に主将を務めて、立命館の売りのトラックで優勝を守れたことは、コロナ禍においてもみんなの競技力を高いレベルで維持できたという一つの証明だとうれしく思っています。

――もっとできたかなと思うところはありますか。

 私はいつも関西記録、近畿記録止まりなんですね。高校時代も高校新が出そうで出なかったですし、大学も学生新が出そうで出なかったという1番になり切れないところがあります。大学4年生の時も、優勝しなくてはいけなかった4年生のインカレで優勝できなかったり、取れそうなところで取れないというのが、後悔の種でもありました。

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