3度の箱根駅伝→実業団退社も再出発。松村陣之助が語る「働きながら走る」意義 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sankei Visual

「やるからには結果を出して注目されたいですよね。そうなればもっと頑張ろうという気持ちになる。今年はコロナ禍の影響でレースがなくなり厳しいですが、5000mと1万mを軸に練習しています。僕は5000mが一番得意なんですけど、7月のホクレンでは1万mで自己ベストを更新できたのですが、5000mは結果が出なかった。試合が少なくてレースを走れていないこともありますが、ちょっと気持ちが空回りしてしまって......。12月までにはしっかり調整していきたいと思っています」

 松村が個人的に最大の目標としているのが、12月に開催される日本陸上選手権大会の5000mだ。自己ベストは13分46秒だが、その記録を更新し、結果を残すことを自らに課している。

「日本選手権は標準A記録が13分42秒なので、40秒を切って、8位内の入賞を目指しています。レースはかなりハイペースになると思いますし、相当頑張らないと厳しい。でも、なんとか結果を出して『コモディイイダにはこんな選手がいるんだ』というのをしっかりアピールしたいと思います」

 結果を出して注目されることは一番だが、選手のなかにはSNSなどを利用して多くのフォロワーを生み、それを励みにしている選手も多い。そうして自らの注目度をモチベーションに変え、さらに陸上への興味をもってもらうことを狙いにしている選手もいる。松村はSNSについて、どう考えているのだろうか。

「僕はSNSが弱くて、全然できないタイプなので、もっぱら監督にすべて任せています。監督はYouTuberなので、僕がいい走りをすればそれを配信してくれるので全世界の人が見てくれるでしょう(笑)。個人的にはいい時も悪い時の走りも動画で流してくれているので、フォームのチェックという意味で見ています。今後ですか? たぶんやらないと思います」

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