日本のクイーン・オブ・アスリートは寂しがり屋。ヘンプヒル恵の素顔 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Mukarami Shogo

――大学進学では東京の大学を選択し、環境をガラッと変えましたよね。

 そうですね。何かを変えなきゃいけないタイミングだなって思っていただけに、「失敗してもいいから変えたほうがよくない?」と思ったんです。この競技をやっていて、安定を求めるのなら私のやりたいことじゃない、と。

――ホームシックにはなりませんでしたか?

 大学4年間は寮生活だったんですが、最初は本当につらかったですね。1年から4年まで一緒の4人部屋で、1年生の時は仕事も多くて。家にも帰りたいし、本当にきつくて毎晩、カーテンを閉めたベッドの上で声を殺して泣いていました。

――徐々に慣れてくると寮生活はどうでしたか?

 大好きになりました。練習はすごくきつかったんですが、疲れ切って帰ってきてもみんながいるので、『今日はこういうことがあったんだよね』と話ができる。ため込まずに話せることで、結束力が強くなっていきました。『明日も頑張ろう』と励まし合うことですごく救われました。

 部屋替えが半年に1回あって、その度に新しい部屋のメンバーでご飯を食べに行ったり、パーティーをしたりするのが楽しかったです。餃子を焼いたり、お好み焼きや、たこ焼きをしていましたね。

――練習以外での楽しみは何がありますか?

 大学時代は、休みの日に友達と出かけるのが楽しみでした。事前に調べて『これを食べに行こう』と渋谷に行ったり。ほかにもカラオケに行ったり、ディズニーランドに行ったりしていました。とにかく計画して、それを実行して帰ってくるのが好きでしたね。調べる段階から楽しいので、それがストレス発散になっていました。

 就職してからは、朝から出かけると疲れてしまうので、午後からランチを食べに行ったりして、ゆったりとすごしています。最近はあまりできていませんが......。

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