神野大地は厚底シューズ問題に持論。東京マラソンで「あわよくば...」は狙わない (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kishimoto Tsutomu

 ユーチューブ(YouTube)でケニア人と18キロを走る動画を配信したが、神野は高地にもかかわらず、ケニア人に負けない走りをしていた。これまでのケニアでの経験もあり、確実に力が上がっているのは間違いない。またインターバルでは、今回、新たな練習に取り組んだという。

「前回は3キロ3本、2キロ2本、1キロ2本をやっていたんですけど、今回は2キロを8本しました。ケニア人はインターバル系のトレーニングで、しっかりと距離を踏むことを大事にしているんです。日本だと、よく400mを10本とかやるんですけど、それだと4キロしか走っていないじゃないですか。でもマラソンを走るなら、400mを40本とか、1000mを15本とか距離を踏む練習が必要ですし、僕はそういう練習をしたほうが体に刺激が入る感じがするんです。

 あと、練習は最後までやり抜くようにしています。今日は動きがはまらないからとか、設定タイムを超えられないからとか......そうした理由で(途中で)やめる人もいますが、そこで逃げたら絶対に壁は越えられない。我慢して追い込んでいくと、次に変わってくるので、ケガをしていない限りはやり切ることを大事にしています」

 綿密に練られた練習メニューを100%こなしていったせいか、ケニアに入った時はいまひとつだったコンディションも徐々に上がっていった。

 さらに、今回の合宿ではほかの選手から刺激を受けることもあったという。ケニアには同時期、ロンドン五輪、リオ五輪の5000m、1万mで2連覇したモハメド・ファラー、ハーフで59分13秒のタイムを持つジュリアン・ワンダース、ニュージーランドのロバートソン兄弟(ジェイクとゼーン)、神野が初めてマラソンに挑戦した福岡国際で優勝したソンドレノールスタッド・モーエン、そして大迫も合宿していた。

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