東京五輪で金メダルを。日本男子4×100mリレーに世界基準の強みあり (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by REUTERS/AFLO

 そんな中、日本陸連は昨年12月に「4×100mリレーで金メダルを狙うためには、個人種目の出場は原則として1種目に制限する」という選考案を示した。これは17年世界選手権で、2種目に出場したサニブラウンが脚に不安が出てリレーに出場できなかったことや、昨年の世界選手権でも、100mと200mに出場した小池を決勝で使えなかったということもある。それに対して、2種目での出場を目指しているサニブラウンや小池が不満を感じるのは当然だろう。

 世界のトップ選手が2種目を走ってリレーでも結果を出している状況を考えれば、日本選手にも、そのレベルを目指してほしいという思いもある。だが、近年の五輪や世界選手権で、2種目に出場してリレーも走った選手は、00年シドニー五輪の伊東浩司以来誰もいないという事実があることも確かだ。

 未確定な部分はありつつも、日本選手権へ向けた熾烈な代表争いとともに、世界基準の意識を持った各選手の進化に期待しながら見守りたい。

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