2019.06.12

東海大の未完の大器が本格化。
駅伝シーズンに向けてさらに競争激化!

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 だが、常にケガがつきまとった。

 佐久長聖高校(長野)から入学前の3月に入寮して、すぐに疲労骨折。復帰するのに約3カ月を要した。それが影響し、1年時は同期の塩沢稀夕(きせき)が全日本大学駅伝を走ったが、名取は3大駅伝を走るチャンスすら得られなかった。

 2年時も大会に向けて調整しようとすると、無理して故障という悪循環を繰り返し、秋からはチーム練習から離れて両角監督からもらった個人練習メニューを消化する日々が続いた。

「悔しい思いをしていますし、だいぶ時間を棒に振ってきているので、慎重にやらざるを得なかったんです」(名取)

 練習はタイムを重視するというよりも、距離重視でペースを上げず、30キロほどの距離を1キロ5分ぐらいでゆっくりと走り、走れる足の下地づくりに励んできた。

 その成果が今シーズンようやく結果として表れるようになった。本人は悔しさをにじませたが、関東インカレでのハーフ5位は、今季好調の西田とともに最後まで粘って走るなど、地道な練習の成果が出た。

 ただその時点では、完全復帰の目安となるチーム練習に合流していなかった。一緒に練習することも多くなったが、調整は別メニューで進めていた。

 関東インカレが終わったあとは少し休養し、6月に入ってからポイント練習を2回やって、個人学生選手権に向けて調整してきた。朝練習の集団ジョグには完全合流し、チーム練習にもほぼ出られるようになった。

「ここまで順調にこられているのは、別メニューでの調整というのも大きいですが、やはり故障なく継続して練習できているからだと思います。ようやくみんなと一緒に練習できるようになってきたので、このまま故障なく夏合宿を乗り越えて、秋は駅伝のメンバーに絡んでいきたいですね。これまでまったく走れていないので……」

 名取は、西田、塩澤と並んで3年生”3本柱”のひとり。ロングに強かった湊谷春紀、湯澤舜が卒業し、その穴を埋める選手として松尾淳之介(4年)とともに両角監督の期待が大きい選手だ。