波乱の100mを制した桐生祥秀。タイトル獲得は大きな意味がある
カタールのドーハで行なわれているアジア陸上競技選手権大会。男子100m決勝で、桐生祥秀(日本生命)は、スーッと抜け出すとインレーン(左)側を確認しながらゴールラインを駆け抜けた。
「一応、僕の右側にいる選手には勝てると思っていたので、最後は『勝っていればいいかな』と思ってちょっと見ました」
ライバルがいなくなる中で、しっかりと勝利を掴み取った桐生祥秀 桐生はゴール後、電光掲示板に結果が出る前、小さくガッツポーズをした。
「ゴールした時は勝ったかどうか、あまりわからなかったけど、とりあえずは『やったぞ!』というくらいの感じで(ガッツポーズを)やってみました。そのあとでコーチが日の丸を渡してくれたので、『あっ、勝ったんだ』と思ったくらいです」
結果は追い風1.5mの条件のなか、10秒10で優勝。この大会の男子100mで、日本人初優勝を果たしただけでなく、今大会の日本人金メダル第1号にもなった。
「スタートしてから頭を上げるところの部分は、決勝より準決勝の方がよかった。それでも焦らずにいけたというのが、このレースの収穫だと思います。スタートであまり力を使わずに、後半にその分を持っていく練習も積めていたので、前半は準決勝よりよくなかったけど、その分後半は違うイメージで走れたかなと思います。この大会では、ぼちぼちできたと思うし、決勝でちょっとだけでもタイムをあげられたのはよかったです」
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