東海大、新シーズンは箱根駅伝を含めて「長距離5冠」を獲りにいく (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「西田が今日、イケますって言っていたんで、期待したいですね」

 箱根駅伝後に引退した元主務の西川雄一朗(4年)がユニフォームに着替える西田を見つめながらそう言った。

 西田は2月11日の唐津10マイルに出場し、47分18秒で6位に入賞した。東海大内ではトップの成績で、先頭集団を引っ張って走るなどレース内容もよく、調子のよさをアピールしていた。

 ちなみにこの学生ハーフには箱根王者の青学大、さらに駒沢大、順天堂大、早稲田大など箱根常連校も参戦している。気温が14度まで上がり、暑さが気になるが、この環境下で強豪校相手に東海大の選手たちはどんなレースを見せてくれるのか、注目した。

好天に恵まれた立川ハーフ好天に恵まれた立川ハーフ 午前9時30分、レースがスタートした。

 序盤から西田は先頭集団に入り、積極的な展開を見せた。そのまま13kmぐらいまでは西田が青学大の梶谷瑠哉(3年)、順天堂大の野田一輝(3年)、駒沢大の伊勢翔吾(3年)の前に立ち、トップ集団を引っ張った。

 15km地点、トップが梶谷、2位が西田、3位野田とアナウンスされる。梶谷との一騎打ちの様相を呈してきたが、両者とも一歩も引かない。18.9km地点では梶谷を抜いて、再度トップに立った。箱根では4区を走り、青学大4連覇に貢献した3年生相手に互角に戦っている。このまま優勝かと思ったが、20kmで梶谷がトップに立ったというアナウンスが流れた。

 ゴール地点に向かい、先頭で入ってくる選手を確かめる。最初に見えてきたのは梶谷だった。1時間03分20秒で優勝。西田は伊勢にも抜かれて1時間03分35秒の3位でゴールラインを駆け抜けた。

 その後、東海大の選手は小松が9位、郡司が56位、東優汰(3年)が85位、中島が103位と続いた。

 汗に濡れ、悔しそうな表情を見せたのは、小松だ。

「現状の力は出せたと思うんですが、今日は、うーん70点ですね。暑さと最後、公園内のアップ&ダウンがあるんで、ちょっと抑え気味にいったんです。終始余裕を持ち過ぎてしまい、最後1000mでちょっと(ペースを)上げただけだった。もっと先頭に食らいついていけば、順位も変わったなぁと思うと悔しいですね」

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