湘南国際マラソンにみる、参加者の記録を助けるペースメーカーの意識 (2ページ目)

  • text by sporiva
  • 田畑大介●撮影 photo by Tabata Daisuke

 濱崎さんをはじめ、昨年のレースで初めてペースメーカーを経験したメンバーがほとんど。それでも、チームで話し合いながら練習を重ねることで感覚をつかんでいった。城西大学OBの黒川遼さんにとっては昨年の大会が初マラソンでもあったが、レース本番ではランナーたちに積極的に声をかけながら走ることを心がけたという。

「周囲を走るランナーに、僕についてくればどのくらいのタイムでゴールできるのかを伝えながら走りました。会話をすることでリラックスできますし、『時計を見なくても目標を達成できる』という安心感を持ってもらえます。ランナーの体の状態も見て、つらそうな部分をしっかりケアしていくこともペースメーカーの役割なんだと実感しました。

 なかには、設定していたペースから遅れてしまうランナーもいるんですが、僕たちは2人1組で走るので、ひとりがサポートに回るなど柔軟に対応できます。遅れた人が焦って挽回しようとすると後半にガクっと落ちてしまいますから、そうならないようにゴールまでのプロセスを走りながら組み立てました。目標タイムを切ることも重要ですが、まずは完走して、準備してきたことを出し切る達成感を味わってほしいですからね」

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