全日本を勝った伏兵・神奈川大は、箱根駅伝でも青学、東海を崩せるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 大後監督は「今回それぞれ選手の体調準備ができていて、大きな崩れはないかなと思っていましたが、それでも東海大や青学大、東洋大にはかなり先行されるイメージをずっと持っていました。でも一緒に並んでいけるような状況になって、どんどん希望が出てきていました」と振り返る。また、「一番心配していた5区の越川が、下田くんと一緒にハイペースで突っ込んだのにはヒヤッとしましたが、8~9kmくらいのところでこっちを見てニヤッとしたので、『あっ、これは調子のいい時の越川だな』と思って。彼が本来の能力を遺憾なく発揮する走りをしてくれたことで、流れがひとつうちに傾いてきたと思います」と越川の走りを評価した。

 勝負の分かれ目は、アンカーの鈴木につなげるまで、「当初の予定で30~40秒差まで。気温がだいぶ上がってきたなかで1分差までは大丈夫かなと思っていた」という。

 選手たちも、アンカーに鈴木がいることで、多少遅れても大丈夫という気持ちでプレッシャーなく走れ、自分たちの力を存分に発揮した。6区の安田共貴(2年)は東海大の國行麗生(4年)に追いつかれたものの、1秒差の2位でタスキをつないだ。そして、7区の大川一成(4年)もトップから17秒差で中継し、その時点で優勝を確信したと大後監督は言う。

 8区の鈴木は期待通りの走りを見せ、2.5kmで東海大の川端千都(4年)に追いつくと、3km過ぎから前に出て5kmを14分10秒で通過。そこから徐々に差を広げ、結局は1分18秒差をつけてゴールテープを切った。

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